「召喚獣労働組合の書記長」第1章を、さっと読みたい方のためのあらすじです。
※第1章の結末までのネタバレを含みます。第2章以降の内容は含みません。
【どんなお話?】
異世界から呼び出され、労働力として使われる召喚獣たち。彼らには法的な人格がなく、過酷な契約に縛られています。
主人公のセレス・ヴァインは、元・召喚術士ギルドの契約審査官。いまは小さな「召喚獣労働組合」の書記長として、相棒の土精霊モグとともに、契約書の抜け道を見つけては、召喚獣たちを守っています。
武器は腕力ではなく、条文を読み解く力。笑える労使交渉の裏で、「契約が切れた召喚獣は、本当に故郷へ帰っているのか」という謎が少しずつ浮かび上がります。
【あらすじ】
◆第1話 岩を運ぶ者
鉱山で酷使される岩石精霊グラニトのもとへ。現場監督は「地下には日没も日の出もないから、休ませる義務はない」と屁理屈を言い張ります。セレスは鉱業組合の規定を持ち出して、これを覆します。その帰り、「向こう側へ帰還いたしました」という契約消滅の定型報告に、セレスは小さな違和感を覚えます。
◆第2話 抜け道のある契約書
染物工房の水の精霊リセは、「完成の基準」が書かれていない契約書のせいで、報酬を払ってもらえません。セレスは染物組合の標準規定で解決します。ここで、ギルド側の官僚オーレン・カストールが初登場し、組合の活動に釘を刺します。
◆第3話 救われた者
配達件数を改ざんされ、契約を引き延ばされていた風の精霊ピム。その姿は、二年前のモグと同じでした。セレスがモグを救い、ギルドを辞めて組合に加わった経緯が語られます。そしてモグは、契約消滅の寸前に見たものを打ち明けます。「何も、見えませんでした。帰る場所も、光も」。
◆第4話 遺された道具
契約満了した家事の精霊タムルの遺品整理を頼まれます。帳面に残されていたのは「帰れたら、向こうでも誰かの役に立てるだろうか」という一文。さらに、通常は七日ある確認期間が、タムルの件だけ半日だったことに気づきます。
◆第5話 帰らない場所
ギルドの記録保管庫で、セレスは「向こう側への到達を確認した記録」が一件も存在しないことを突き止めます。オーレンは「確認していないことと、存在しないことは違う」と言い逃れ、組合への審査をちらつかせます。
◆最終話 契約書は向こう側へ届かない
ギルド評議会から、組合の活動を審査するという書状が届きます。かつて同じ壁の前で活動を止めた先代書記長ヴィクトアの言葉を受け、セレスは「向こう側に何があるかより先に、この国が何を隠してきたか」を確かめると決意します。
【第1章の見どころ】
・契約書の条文の穴を突く、頭脳戦の気持ちよさ
・笑える交渉の裏に、じわりと忍び寄る「帰還」の謎
・救われた者と、救えなかった者の対比
【第2章について】
組合の存続をかけた審理が始まります。「証言できる者がいない」という壁に、セレスたちが挑みます。
▼第1章はこちらから読めます
https://kakuyomu.jp/works/11054822664855644799/episodes/11054822664855679320