• 異世界ファンタジー

[ご紹介] Killing Me Softly With His Song:第零章「Kissing a fool」

[前置き]
本作の章と各話タイトルの多くは実在の楽曲タイトルを拝借しているものが多いのですが、そんな話も交えて不定期となりますが、各章をご紹介できればと思います。
※ネタバレを多分に含みますのでご注意ください。


[ご紹介]
第零章は、その数字が指し示す通りの意味ではなく、本作は三部作構成で考えておりまして、その三部の最終話に近い部分を切り取った章となります。ですので「零章」と銘打つのは正確ではないのですが、一章への橋渡し的な役割を持つことから「零章」とさせていただいております。


主人公の一人であるアッシュ・グラントは三部作を通して三度瀕死の状況に追い込まれ、その度に「とある選択」をし失ったものを取り返していこうとします。そして「零章」は、その最後の選択の刻のワンシーンとなっております。
つまり、第一章からは、この最後の選択の刻にこれまでの事を全てもう一度観て、決断をするという視点にたっている部分が大きいのですね(話中、英文タイトルは基本的にはその視点にたっていないですが)


零章で掲げた「Kissing a fool」は故ジョージ・マイケルの名曲です。この曲は愛する人の心が離れていってしまう、もしくは自分から離れていってしまったことを歌っていると解釈しているのですが、そのリリックからは、外部の人々の誤解や明確な意図を持った攻撃に晒され、心を傷つけ、人間関係に懐疑的となったことが伺えます。
本作では、リリックで歌われるような(感じられるような)人間模様の中で傷つけ合いながらも、何か一握りの大切なものを見つけ出す。といったことを描ければと考えているところもあり開幕の「零章」にこちらの曲のタイトルを拝借させて頂きました。

ん? それじゃ大切なものを手放してしまったのでは? と思われるのですが、実はこの曲はソロデビューアルバム「FAITH」に収録された曲なのですね。つまり「信念」です。ジョージ・マイケルには色々なスキャンダルが付きまといましたが、それでも彼は「信念」を持ってこれを皮切りにソロ活動を始めました。
この先の物語で、主人公たちがそれぞれの信念をかかげ、ぶつかり合っていく。それは立場が変われば、視線が変われば正義にも悪にもなりえるものですが、それでも「信念」をもって突き進んでいく姿を描くスタートラインに、あっているなと思った次第なのです。

もっとも、直接的にキッス(いいかたw)の描写もあるわけですが(笑

次回は第一章「Let The Bad Times Roll」を紹介させて頂ければと思います。

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