こうちょうかずみ

むかしむかし、いまだ世界が分かたれていた時代。 ポップ王国に一人のお姫様が生まれた。 名前はアンジェリーナ。 やがて彼女が剣を取るとき、世界は大きく動き始める。 少女の運命を、…

小学生の頃、飼っていた熱帯魚の水槽にそいつは突如として現れた。 フリフリと揺らす二股の尾に大きな二つの目。 初めて見るその姿はまるで怪獣のようだった。

不動産屋に就職して俺が初めに覚えたのは、“事故物件”は本当にあるということ。 それにしても、今日はやたらと霊が多い。 でもこの家、事故物件ではなかったような？

今日もいつも通り、自分は整備士として仕事をこなすのみ。 たとえいくら修理物が話しかけて邪魔をしてこようとも。

二人は確かに愛し合っていた、はずなのに――。 彼は言った。 「俺が、あの子を、殺したんです」と。 彼女は残した。 “彼を殺人犯にしてはいけない”と。

召喚したのは“アンラッキーセブン”の精霊。 馬鹿げた名前のおどおどした男は、俺に不運ばかりをもたらしてくる。 でもあるとき、俺にとっての不運は、幸運に変わった。

筋肉を付ければモテる！ そんな単純な望みにほいほいと釣られ、こいつは本当にどうしようもない。 ただただ男子高校生が駄弁るだけの日常譚。

深夜、灯りのない闇を歩くとき、そいつらは現れ、いつの間にか影を食らう。 闇夜の中、傘を売る男に出会った。 その男いわく、影齧虫という異形の虫が、夜な夜な人の影を食らうというが―…

俺らは夫婦。二人暮らし。 でもなぜかこの家には五人分の食器がある。 そう。これは、ちょっと変わった五人家族の物語。

リサイクルショップの裏側にはぬいぐるみ専門のハローワークがある。 そこにやって来るのはいわくつきのぬいぐるみ？ いやむしろこれは――。

ここは、白紙の本を売る特別な本屋。 その本に名前を書けば、自分の人生を知ることができるらしい。 今日もまた、白紙の本を求め、客がやって来る。 ――あなたはその本を欲しいと思いま…

佐竹義成（さたけよしなり）高校一年生。 今俺は濡れ衣を着せられかけている。 スマホ紛失？知らねぇよ！ ああ、あと5分で授業が始まるというのに。 そんなとき現れた救世主？自称探…

死神「天使」。そう呼ばれる死神がいる。 透き通った肌に白い翼。彼に出会う誰もがこう思う。天使が現れたと。 しかし彼は死を運ぶ。出会ったものに例外なく死を贈る。 今宵、彼が見送…