『魔王様はグルメ』
〜三度の侵攻より、人類の飯〜
今回は、魔王軍側の重要人物――リンドの紹介です。
リンドは、魔王アシュレイア・ヴォーディアスの側近であり、実務担当であり、記録係であり、通達を書く人です。
そして、たぶん作中で一番胃を痛めている人です。
魔王様は、人間界の料理にだけ異常な価値を見出しています。
ただし、その判断基準は人間にも魔族にもほとんど理解できません。
畑。
井戸。
市場。
厨房。
鍋。
明日の仕込み。
客の文句。
料理人の失敗と工夫。
そういったものを壊す者は、人間であろうと魔族であろうと「余の庭を荒らす害獣」として扱われます。
リンドは、その魔王様の真意を完全には理解できません。
けれど、長年の経験と観察によって、
「ここを間違えると誰かが戻らない」
という危険な境界線だけは察してしまう。
理解できない。
だが、間違えると戻らない。
だから今日も、彼は通達を書きます。
前線の魔族兵が余計なことをしないように。
人間の厨房を壊さないように。
魔王様の機嫌と、人類の飯の未来を、どうにか紙一枚で守るために。
第6話「焼きたてを待つ」では、そんなリンドが魔王様の“見てはいけない表情”を目撃してしまいます。
焼きたてのパン。
人類の手仕事。
そして、それに敗北する魔王様。
リンドはその記憶を、可能な限り消そうとしました。
たぶん無理です。
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作品ページはこちらです。
https://kakuyomu.jp/works/2912051602761313813
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同時連載中:
『バッドエンドは視えている』
〜死ぬ未来だけ見せられた女子高生は、やり直せない異世界で足掻く〜
こちらは、死ぬ未来だけを押し付けられた女子高生が、やり直せない異世界で生き残ろうとする、重めの異世界サバイバル小説です。
死に戻りではありません。
巻き戻りもしません。
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