連載を始めたばかりの拙作『虚無を喚ぶ者(ヴォイド・コーラー)と聖釘の審問官』ですが、早速お読みいただき、本当にありがとうございます!
先日更新いたしました「第八節:異端の座標」をもちまして、物語の導入となる第一章が、ひとまず完結となります。
静かだった写本師の日常は終わりを告げ、ついに神の代行者である異端審問官が、彼の工房の扉を蹴破りました。
絶望的な状況で幕を開ける、二人の物語の始まりです。
この機会に、改めて本作の登場人物と、これからの見どころを少しだけ、ご紹介させてください。
◆ 主人公:カイン
その身に、世界を壊すほどの【虚無】の力を宿す青年。
力を「呪い」として憎み、過去の罪に苛まれながら、ただ世界の片隅で、写本師として静かに生きることを望んでいます。
◆ ヒロイン:アグネス
「聖釘のアグネス」の異名を持つ、若く美しい異端審問官。
神の絶対的な正義を信じ、穢れを滅ぼすことだけを、自らの存在意義としています。
戦うことを拒む男と、断罪することしか知らない女。
出会うはずのなかった二人の出会いは、果たして何を生むのでしょうか。
続く第二章では、いよいよ二人の直接対決、そして、港町ゼーブルクの屋根裏を舞台にした、息もつかせぬ追跡劇が始まります。また、街を恐怖に陥れる「星辰教団」の影も、本格的に動き出します。
まだ始まったばかりの物語ですが、これから、どうぞよろしくお願いいたします。