いつもの電車、いつもの場所。海沿いのローカル線で揺られながら、毎朝、視界の端にある存在を意識する。制服姿の彼の横顔を盗み見ては、胸がざわつく居心地の悪い時間。初夏の蒸し暑さが最…

　ゲームを始める瞬間の高揚は格別なものだ。それが新たなテクノロジーによる形となればなおさら。しかし幾ら世界が変遷したように見えても、人の楽しみ方まで大きく変化することはないのだろ…

未来の事なんか誰にも分からない。未来に何ができるのかも分からない。しかも、まさに今それを探っているところの高校二年生である女子生徒、葛《かつら》繁茂《はんも》は、進路を考えろとい…