情報過多になりがちという癖が見えました。
特に27話の初稿は新キャラの紹介を列記しており……
明らかに悪手でしたね😅
3話に分けて、エピソードとしてキャラを動かして紹介に代える形に手直ししてみました。
まだまだ執筆を始めたばかり。
磨いていかねばなりません。
なお当初はこんな形でした。
↓
第27話:防衛学園と貴石将の真実
☆プラエクラルス12名、名乗りを上げる
医務室。意識を回復したミコ学長の元に、プラエクラルス12名が整列する。
『改めて自己紹介をさせていただこう』威厳に満ちた透明な存在が一歩前に出る。『我はプラエクラルス筆頭・アダマス。金剛石の力を司る。』
続いて、深い赤い輝きを放つ存在が一歩前に出る。
『当方、ストラ。柘榴石の守護を担う。当方が盾となり、同士を必ず守ろう』
紫水晶のような美しい存在が知的に微笑む。
『私はメティス。紫水晶の知恵で真理を見抜きます』
青い宝石のような存在が流れるように動く。
『私はリーヴァ。藍玉の流れを操り、水の魔法が得意です』
エメラルドのような緑の存在が優しく微笑む。
『私はエメラダ。翠玉の生命力で皆さんを癒しします』
美しく輝く真珠のような存在が感情豊かに語る。
『わたしはマルガリータ♪ 真珠の変化で状況に応じて力を使い分けるわ』
情熱的な赤い炎を纏う存在が威厳を込めて宣言する。
『私はカレンティア。紅玉の炎で邪悪を焼き尽くし、浄化の炎で正義を貫く』
太陽のように明るく輝く存在が元気よく手を振る。
『あたしはオリヴィア!橄欖石のエネルギーでピカピカするよ〜♪』
知的な青い光を放つ存在が穏やかに語る。
『私はシャルル。蒼玉の氷で凍てつかせます』
虹色に輝く不思議な存在が好奇心に満ちた瞳で見回す。
『ボクはアルクス!蛋白石の虹の光と、多様な技を使い分けるよ』
山吹色に輝く力強い存在が威勢良く名乗る。
『アタイはフラヴィア!黄玉の拳で敵をぶっ飛ばすぜ!』
最後に、知的な輝きを放つ存在が戦略的に微笑む。
『私はイズ。トルコ石の力で強化支援と戦略立案をサポートします』
ミコ学長が驚きの表情を浮かべる。「貴女たちのOE……まさか……」
☆真実の告白
『お察しの通りです、ミコ』アダマスが厳かに答える。『我らは、貴女から派生した存在。かつて貴女が深手を負い、テラと共鳴して蘇った時。貴女の魂の欠片というべきものがテラに残された。我等はその欠片より生まれた存在なのです』
「私の……魂から?」
『当方らは学長の理想を具現化した』ストラが簡潔に補足する。
『貴女が人類を守りたいと願う心。その純粋な想いが、私たちに形を与えたのです』エメラダが優しく説明する。
「道理で。皆さんから師匠と同じ気配がしたのはそういうことでしたか」ヴィヴィアンが納得する。
『わたしたち、学長の心から生まれたから、みんなを守りたい気持ちでいっぱいなの』マルガリータが感情を込めて語る。
『我らは貴女の理想を具現化した存在。故に、人類の守護こそが我らの使命』アダマスが誇り高く宣言する。
☆テラからの呼び声
その時、ミコ学長の意識に母なる大地のような声が響く。
《ミコ…ミコ……》
「この声は……テラね。お久しぶり」ミコ学長が慣れ親しんだ友人を迎えるような笑みを浮かべた。
《久しぶり。ミコ。怪我、治らないんでしょう?私が治すから、会いに来て》
ミコ学長の目が大きく見開かれる。「テラ……?まさか……」
『あの時と同じ。普通の子に私の力は受け取れないけど……貴女なら大丈夫。前とは少し種類が違う怪我だけど……問題はない』
学長が声を聞き取れていない皆に説明する。
『セントラル防衛都市は、偶然この場に築かれたものではありません。露出したテラ……惑星テラという意味ではなく、超巨大生命体としてのテラという意味になります。その真上に建造された場なのです。ミコの話が続く。「テラの本体から供給される莫大なエネルギーが、この都市を支えている。ここが最も安全な基地となり得たのです」
ユナ教官が驚く。「では、学園の地下に…」
「テラの本体が眠っている。そして、テラの力を借りれば私の傷を完治させることができるそうです」
ミコ学長が弱々しく立ち上がろうとする。「私が……行かなければ」
「学長!まだ体が...」イレーナが心配そうに駆け寄る。
理事長も慌てて止めに入る。
「無理をするなミコ。そもそも地下には、テラのエネルギーによって生まれた石兵が山のようにいるだろう。今の君では危険だ」
☆地底探索隊、結成
アダマスが即座に前に出る。
『我が護衛いたします』
「私も行く!」フランが真剣な表情で立ち上がる。「ミコに怪我させたのは私。絶対に行く」
「ガーデン班、全員で行こう!」リアナが力強く宣言する。
「リッちゃん……でも危険よ」カトレアが心配そうに言うが、イレーナが首を振る。
「学長にはお世話になっています。それに今の私たちなら、きっと十分に戦える」
ヴィヴィアンが勢いよく浮上する。「当然、私も師匠をお連れします!」
他のプラエクラルスたちも同行を志願しようとするが、アダマスが手を上げて制止する。
『皆の気持ちは分かるが、地上の守りも重要だ。我一人で十分である』
『そうですね。アダマスが遅れを取るなど想像もつきませんし』エメラダが微笑む。
ユナ教官が厳しい表情で言う。「私も同行する。生徒たちだけでは心配だ」
「いえ、ユナ教官は地上の守りを」ミコ学長が制する。「もし地上に新たな脅威が現れたら…...」
『心配はいりません』アダマスが自信に満ちて答える。『護衛は我一人で十分。地上の守りも同胞たちが固めましょう』
☆地底への入口
学園の地下施設、最深部。普段は立ち入り禁止区域とされている場所に、一行は集まった。
「こんなところに入口があったなんて.…..」フランが驚いて呟く。
OEで強化された厚い鋼鉄の扉の向こうに、螺旋状に続く階段が見える。階段の壁面は、美しい源晶で覆われ、微かに光を放っている。
「師匠、横になってください」ヴィヴィアンが箒の柄の上にベッドを出現させた。
ミコ学長が微笑む。「ありがとう。ヴィヴィちゃん。器用ね」
「それほどでもあります!師匠を世界一愛していますから!!ルディさんには負けません!!」
「あらあら。ヤキモチかしら?」
「そうです!私が男だったら絶対に口説いてました!結婚してください!!」
「ごめんね?私の伴侶はルディだから……あなたの気持ちには応えられないの。……このやりとり、何回目かしら?」
「今回で記念すべき一万回目です!!そろそろ心変わりしましょう!」
「しないわ」
「ハイ。知ってます……(泣)」
ヴィヴィアンが一万回目の失恋をして涙を流しつつ。
アダマスが先頭に立って進み始めた。『我が前衛を務めます。皆さんはミコ学長をお守りください』
一行は地底への螺旋階段を降り始める。
新たな真実が明かされ、更なる冒険が始まろうとしていた。
「私は絶対に諦めませんよぉ!!」
「私も絶対に受け入れることはないわよ?」
ヴィヴィアンの愛の戦いと、ミコ学長の絶対防衛も続くようであった。
(強者にも多くの種類があるな。ヴィヴィアン殿の力は愛に支えられている。大変興味深い)
アダマスは密かに感銘を受けていたのだった。
次回:地底の戦い、フランの決意
アダマスによる先導の下、一行はテラ本体が待つ学園の地下を進む。強大な力を持つ新たな石兵との戦いを終えた後、アダマスからフランにまつわる重大な話が語られる――