春は素晴らしい。 鼻孔をくすぐる沈丁花の香りに弾む君の笑顔を、桜が讃える。 夏が待ち遠しい。 僕の名を呼ぶ君の声に、蝉時雨も蚊帳の外へと消える。 秋が待ちきれない。茜色の空を眺める君は灯火のように儚く、美しい。 冬は 「お前、何気持ち悪い文章書いてんの?」 はんじょう!? え、どうして?いつの間に? 「いや、ここ楽屋だろ。台本読んでんのかと思ったら気持ち悪りぃ。春だの夏だの、お前引きこもってるから分かんねえだろ。」 はんじょう、それは文学に対する冒涜だよ。 「好きな子でも出来たのかよ。」 そ、それは。 「まぁいいや。ほら、リハーサルの時間だから行くぞ。」 楽屋から去る背中に言葉は出ず、溜め息と共に紙は丸めて窓から投げ捨てた。 春風に乗り紙屑は青空を舞う。 2人の恋の行方は、捨てられた紙屑はどこへ向かうのか。 おにやの本当の気持ちを唯一知る紙屑にもその行方は分からない。 冬は忘れない。はんじょう、君が産まれた季節だ。
投稿を始めてから大体四ヶ月。これからもよろしくお願いします。
作品 ①処女作 ワールドクエスト 完結 ②完結 俺だけ武器がレベルアップ ③完結 ヒロインにガチ恋したら世界が変わった ④連載中 灰の世界 ⑤連載中 神回配信 誰かの心に残る作品を書くことが目標の新人作家。 批評には弱いので感想はお手柔らかに。 面白かったという感想は泣いて喜びます。
ファンタジーを中心に書いています。 『なろう』でも別名義で執筆しておりましたが、現在はカクヨムのみで活動中。
「小説家になろう」作者別獲得ポイント第四位です。 著作累計百万部(電子込み)、代表作は「ドラたま」、「暴食妃の剣」です。
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