川辺 せい

それが病だなんて、知らなかった

大人になったら、サンタクロースはやってこないと思っていた。

冬の海辺、面影のはなし。

ぼんやりとした意識のなかで、私は見知らぬ夜と出会った。

中秋の名月の夜、月のような彼のこと

煌めく彼は、私たちの一等星。

初恋は、そういう魔法だ。

私たちは、かけがえのない夏のなかにいた。

「ほろ苦さの中にあたたかみを感じられる、やさしい味です」

光るとき見ていたきみとぼくの距離 地球が生まれ死ぬまでの時

「いらっしゃいませ。うみべのソフトクリーム屋です」

歩き方ひとつで、世界の見え方は変わるのだ。