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小川さんの『海』

近況ノートがあったことを初めて知ったので今日読んだ本のことでも少し書きたいと思います。
今日は、休憩の合間に小川洋子さんの短編集『海』を読みました。たぶんこの人の短編集で一番読んでるんじゃないかな(小川さんの本全てで言ったらおそらく『ことり』か『猫を抱いて像を泳ぐ』を頻繁に読んでるかと思います。もしかしたらエッセイの『カラーひよことコーヒー豆』かもしれない)。
海の中で一番好きな話は表題作…ではなく、「バタフライ和文タイプ事務所」です。官能小説を依頼されて書いたと言っていたけれど、こんなに妖艶に「言葉」を描写出来る人を私は知らない。タイプライターの文字盤を撫でる指の艶かしい感じだとか、文字盤にかかる吐息だとか、細かく描写されていない部分まではっきりと脳裏に浮かび上がってきて、とてもドキドキした。
他には「缶入りドロップ」も好き。あの短いページ数でとても穏やかな気持ちになれるなんてとても素敵だと思う。もちろん、小川さんの作品は全て素敵で、全て大好きだけれど。ぜひ色々な人に読んでほしいです。

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