"fake"=「偽物、模造品」の意味で普通は使われます。模造毛皮はフェイクファーといいますね。美術品の贋作もフェイクです。ちょっとWikipediaを調べてみましょうか。1番目の項は前記のとおり。2番目の項に「対人スポーツで相手を惑わす動き」とあります。でもほとんどのスポーツでは(その後に書いてるとおり)フェイントというんじゃないでしょうか。少なくとも日本では。しかしアメリカンフットボールではフェイントという言葉をほとんど使わず、フェイクを多用します。なぜかはわかりません。そういうものですとしか言いようがないです。
ではアメリカンフットボールでいうフェイクとはどんなものがあるか。
・ランプレイと見せかけてパスプレイ:プレイ開始後、QBがボールを持って下がり、後ろから走ってきたRBにボールを渡す「ふり」をして、守備がRBを止めようとしている隙に、QBは前に走っているレシーバーにパスを投げる。
これが代表ですね。「プレイアクションパス」とも言います。ランプレイの動き(アクション)を見せてからのパス、です。この渡す「ふり」が非常にうまいQBがいるんですねえ。下手をするとカメラまで騙されます。逆に、QBがボールを持って下がり、パスを投げる「ふり」をしてRBに手渡してしまうというのもあります。「ドロー」と言います。
・フェイクパント:第4ダウンでフィールドゴールが狙えない場合、普通はパントを蹴るが、パンターが蹴る「ふり」をして前に走っているレシーバーにパスを投げる。
パントを蹴ると攻撃権を手放すのですが、パスで第1ダウンが取れたら攻撃を続行できます。ゲームの終盤で負けているチームが使います。
もちろん、プレイ中の細かい動きにもフェイクがあります。QBがパスを投げる「ふり」をして守備のタイミングをワンテンポ遅らせるとか。ただ、ランナーが右へ行く「ふり」をして左へ……というのはなぜかフェイクと言いません。「カット」と言います。
で、本日の「仮想泥棒ゲーム」ではこのフェイクプレイが登場します。ただしフットボールのゲーム中ではありません。一般人を相手にこれやったら、確実に相手の足が止まるんじゃないですかね。よっぽど反射神経が鈍い人以外は。