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カクヨム甲子園プロット

〇テーマ
 異種恋愛。結ばれない運命であっても互いを思い合う物語。

〇世界設定
 昭和後期〜平成前期の日本。都会から離れよそ者を拒む閉鎖的な村落・瞻部(せんぶ)村。

〇登場人物/キャラクター設定
◆トワ
 14歳。瞻部村にいる唯一の女性。生まれたときから盲目で一度も外出したことがない。心優しい性格でまだ見ぬ村の外にある世界に憧れている。また、特殊な絶対音感を持っており、声で相手の善悪を判断することが出来る。
“不快”な音を放つ村人たちを嫌い、“穏やか”な音を放つハルと翔には心を開く。
◆ハル
 瞻部村の山奥で暮らしている青年。白い髪に金色の眼に赤い隈取りが特徴。正体は邪鬼と疫鬼を喰らう善神・神虫(しんちゅう)。
 しかし、おぞましい見た目から人々から忌み嫌われている。唯一自分を恐れないトワに興味を抱き、彼女の優しさに触れ恋を抱く。
 村の真実を知っており、トワを村の外へ出すべくひとり奮戦する。
◆近衛 翔(このえ かける)
 20歳。音楽家を目指しているさすらいのヴァイオリニスト。裏表がない爽やかな青年。
 各地を旅しているなか、瞻部村に迷い込んでしまう。
 
〇ストーリー
 音楽家である近衛 翔は最新曲である『神虫の恋歌』を発表。雑誌の会見で翔はこの曲を作った経緯を語る。それは彼が若い頃、迷い込んだ村で出会ったある青年と少女を綴った悲しくも美しい恋物語である。
 
 瞻部村で暮らす盲目の少女トワは“不快な音”ばかり発する村人たちを嫌っていた。しかし、唯一“穏やかな音”を発するハルにだけは心を開いていた。
 ハルもトワの優しさに触れ恋を抱くも、自分が“人ではない存在”ということに悩んでいた。
 そんな中、2人は村に迷い込んできたヴァイオリニスト・翔と出会う。
 裏表がない性格の翔は仲睦まじいハルとトワの関係を見て「ハルの想いを題材とした曲を作る」と宣言する。
 その日の夜、翔は人を喰らうハルの姿を目撃する。しかし、ハルが喰らっていたのは人ではなく異形の存在であった。
 ハルの口から語られる瞻部村の真実ーー。もともと暮らしていた村の人々は突如現れた“邪鬼”に喰われ、生き残っているのはトワのみであること。邪鬼たちはトワを自分たちの繁殖のために生かしていることを翔に教える。
 ハルの願いは“トワを村の外に出すこと”。彼の望みを叶えるべく翔は協力を申し出る。
 
 翔に自分たちの正体を知られてしまった村人たちは本来の姿となって彼に襲いかかる。
 大雨の中、翔はトワを連れて村中を逃げまわるも、退路を塞がれてしまう。絶体絶命のなか、ハルが現れ邪鬼たちを一掃していく。
 ハルは「私のねぐらに外へ続く道がある。そこへ向かえ」と翔に告げ、最後にトワへ愛の告白と別れを伝え、湧き出てくる邪鬼の群れと対峙する。
 翔とトワがハルのねぐらに着いた直後、瞻部村は突然起きた土石流によって飲み込まれた。
 
 それから数年の月日が流れーー。翔は音楽家となり、トワは翔の指導によって立派なヴァイオリニストとして成長する。
 翔が作曲した『神虫の恋歌』を弾くトワ。奏でる音に混じって懐かしい音が彼女の耳に届いた。
 

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