架月 夜

中学三年生になった片岡昴は、半年ほど前に大病院に転院した幼なじみを見舞うことが、週に一度の恒例行事になっていた。

何百年も昔のこと。地上で暮らしていけなくなった人類は海の底へ作った人工島へ逃れた。 少年リッツ・アリオは「鯨」と呼ばれる全自動潜水艦を管理する人工島の港で働いていた。

昭和四十三年。中学生になった萱島透子は、登校中の踏切で不思議な少女と出会った。

わたしはマリオネットの女の子。いつも大好きなマスターと一緒に不思議の国のアリスを演じている。ある日マスターのカバンから落ちてしまって……

滅びの危機に瀕した人類は、地上で最後のあがきを続けていた。

軍の研究機関は最新の兵器を完成させた。兵器のお披露目はいよいよ明日だ。これがうまくいけば、追いつめられた今の状況は逆転しわが軍は勝利へ導かれることだろう。

わたしは雲上都市の市長の一人息子、ギルバート・フォー・ギブソンにメイドとして仕えることになった。新しいご主人さまは奇妙な振る舞いを続け家人を気味悪がらせていた。

昭和十年。拝み屋を営む清のもとを訪ねてきた幼馴染は、近所で狐憑きだと噂になっていた。

心を閉ざした少女は、月が照らす屋上で奇妙な家族と出会う。季節は春。だが少女にだけはそれが訪れていなかった。