本来なら自分の作品を解説するなんて、野暮ったくてやりたくないのですが、チェックしていたら、
「これ、分かんない人もいるだろうな」
と思ったので、ちょっと補足解説してみたいと思います。
第二章の15で、
「木は森の中に隠すのが一番だからだよ」
大膳のこの一言で、正太郎は目の前の人物を信じても良いのだと確信する。
という部分があります。
これって、何でか分かりにくいですよね。
ていうか、地の文で説明しようかと思ったのだけど、ここは人間同士のやり取りとして重要だと思ったから、あえてサラッと説明なしにしちゃいました。
で、ここからが解説。
つまり大膳は、自分があえて機械神擁立派が推進するヒューマンチューニング手術を受けることで、自らが懐疑派であることを疑わせないようにしたのです。
それはゲオルグ博士も同じ。
正太郎はその一言で、大膳やゲオルグ博士の志を汲み取ったというシーンなんです。
二行で互いの内面を表しています。
※追記
もっと野暮ったい解説を追記します。
つまり、大膳もゲオルグ博士も自分のことは顧みずに、自分以外の人の為に自らを犠牲にしてまで目的を全うしようとしているという事です。
それをあの一言で表しているのですが、それを聞いた正太郎も大膳の真意をあの一言で理解出来ているのですね。
僕自身がこういうシーンが大好きなので、あえて解かり難く書きました。
これからの若い方々に、こういうのが好きになって貰えるようにね。