Fateは「母の恋人」ベースにもともと書きたかったように書くシリーズ。
「母の恋人」を書き始めたのは、20年近く前。
当時はケータイ小説黎明期。
なので、ケータイ小説っぽく、
またちょっと大人の読書に耐えられる内容……。
と考えて書き始めた。
例えばケータイ小説のテンプレ
冒頭セリフから入る。
もしくは過去回想シーンから入る。
基本「私と貴方」の狭くてリアルな恋愛模様。
地文は少なく。会話と会話で展開早め。
隠喩は理解されない。
直接的な表現。
主語多め説明過多(行間を読めない読者が多かったため)。
ちょいエロ。
直ぐにサイトで取り上げられ、
ちょっと直して某小説コンテストで二次通過。
そしてアルファポリスでミステリー大賞受賞。
数年前にDMが来て、
「高校生の時に読んでました」と言われた。
受賞やこいうDMは、
嬉しいと思う反面むっちゃ恥ずかしかった。
何故なら「母の恋人」は、
ウケようと思って書いたから。
当時はまだ2ちゃんが活発だったので、
そこで叩かれもした。
でも私は「作品は私の子供」的な考えを持たず、
「そう読まれたらそれまで」と割り切れるタイプだったので、
一切の弁解をしなかった。
「ケータイ小説っぽく書いてるんだよ」って。
でも「母の恋人」のラストを変更したら、
大賞受賞時にアルファポリス編集部から
「後半、善悪をはっきり書かないと商業的には難しい」
言われた。
そうじゃないんだよなって思った。
テーマは「善悪」じゃないんだよ。
って、テーマをここで語るのは野暮だから止めとく。
ケータイ小説として評価されたいならそれっぽく。
カクヨムで評価されたいならそれっぽく。
そんなことはわかってるんだけど、
もう、自分で自分を恥ずかしいと思いたくないんだ。