リュークのイメージイラストを描いてみました。
リュークは思いがけず変化したキャラクターのうちの1人です。
そもそも断章でノクスに片腕を食われてしまうスプラッタな感じにしようとしていたのですが、悪い子じゃないしやめるか…となりました。
やめておいてよかったです。おかげでノクスを助けられました。
100年生きた孤独な魔術師という設定は元から構想があったのですが、ここまでノクスとルミとイチャイチャ?させる予定はなかったです。
ノクスはリュークにアッサリ心を許したようにも思えるのですが、コルヴァンと比べてノクスは割と単純です。
ルミほどではないですが…。
コルヴァンの好感度を上げるのはあまりにも困難ですが、ノクスの好感度は度胸と優しさと慈しみ、そしてこれが1番重要なのですが雌であること。これをクリアすれば割とお友達にはなりやすいです。雄は雄である時点でダメです。厳しいです。
魔術行使は術者によって行使方法が異なります。
一般的には詠唱が必須。相当すごい奴でないと詠唱なしの魔法はいけません。
100年の研鑽を積んだリュークでも基本詠唱あり、緊急時は短縮で詠唱しています。
密売人は詠唱だけでなく、巻物も使っていました。詠唱オンリーも一般人からみたら相当エリートです。魔術の刻印された巻物とか本を使ってなんとか魔術を行使するのが一般的です。
そしてコルヴァンですが、もちろん詠唱などしません。こいつは化け物です。
ちなにコルヴァンは最初から魔術に興味があったわけではなく、優秀な魔術師であったセレスティアに影響されて魔術を学びました。最初の頃は本や巻物を見ていたし、詠唱をしたかもしれませんね。爆速で覚えてポイっとしたでしょうが。
もちろんセレスティアも無詠唱で魔術の行使が可能です。こっちも相当な化け物です。リュークが見たらライバル心燃やすと言うよりはドン引きです。
思ったよりリュークの話が長くなってしまい、肝心のルミの自我の話(一応後章をかくぞ!となったきっかけの発想です)をかけず。また、割と書きたいコルヴァンやサクのイチャイチャが書けず。
我慢ができなくなってきて、コルサクの短編を没メモから引っ張り出してきました。
ちゃんときれいに直したら、断章ー余話みたいな感じで本編に追加したいです。
※ノクスとルミが生まれる前のお話です。
重いカーテンが閉ざされた天蓋付きのベッドで、サクは浅い呼吸を繰り返しながら身悶えていた。
額には冷たい汗が滲み、細い指先がシーツの布地をぎゅっと絞るように掴んでいる。
彼女の意識は、過去の記憶を反芻している。泥と湿った土の匂い、遠くから迫る複数の足音と、下卑た笑い声の記憶。
「……いや……やだ……こない、で……」
掠れた悲鳴が、乾いた喉から漏れ出る。その時、寝室の重厚な扉が音もなく開いた。
月明かりだけが照らす室内。滑るように歩み寄ってきた黒い影…コルヴァンだった。
サクのわずかな魔力の揺らぎを察知し、寝所へ現れたのだ。
彼はベッドの縁に音もなく腰掛けると、苦痛に顔を歪めるサクを見下ろした。氷のように冷たい指先を伸ばし、汗に濡れて額に張り付いた髪を優しく払い除ける。
「……サク?」
低い声が微かに落ちた。その呼びかけに引き戻されるように、サクの長い睫毛が震え、琥珀の瞳がおずおずと開かれる。瞳の奥には、恐怖に怯えた金色の光がわずかに揺れていた。
焦点の合わない視界の中、目の前に佇む濡羽色の長い髪と、彫像のように整った貌を捉えた瞬間、サクの目からぼろぼろと涙が溢れ出した。
「……コルヴァン、さん……」
「ええ、わたくしですよ、我が主」
「わたし……夢を……ううん、全部、夢だったんじゃないかって……」
サクは震える小さな手で、コルヴァンの黒い袖を必死に握りしめた。
普段であれば、決して口にしない弱音。奴隷として虐げられてきた頃の癖で、痛くても怖くても耐えることしか知らなかった少女が、悪夢の残滓に呑まれ、堰を切ったように言葉を零し始める。
「目が覚めたら、あの冷たいあばら家で……また、村へ帰らなきゃいけなくて……夜になると、男の人たちが……入ってきて……」
過呼吸気味に息を吐き、肩を震わせる。コルヴァンは、珍しいこともあるものだと思いながら、錯乱した様子のサクの言葉に静かに耳を傾けていた。
「あの頃……夕方になって、帰らなきゃいけない時間になると……お外で、雷が鳴って……ひどい嵐になると、わたし……ほっとしてたんです。帰らなくていいんだって……このまま、コルヴァンさんのところに、いられるんだって……」
サクのか細い告白を耳にして、コルヴァンの金色の双眼がわずかに見開かれた。
かつて彼女を帰したくなくて、幾度となく呼び寄せた雷雨。それを恐れるどころか、あの小さな胸の中で、唯一の救いとして安堵していたなどと――思いもしなかったのだ。
驚きは一瞬で引いていった。
代わりに湧き上がってきたのは、背筋が粟立つほどの、昏く甘やかな愉悦だった。
コルヴァンは長い腕を回し、震える華奢な身体を己の胸の中へと強く引き寄せた。
「……嗚呼…サク……」
低く囁く声音は、恍惚としていた。
サクが怯え、しゃくりあげながら漏らす嗚咽は、コルヴァンの耳にはまるで、雛鳥の甘い囀りのようにしか聞こえなかった。
外の世界に怯え、あの忌々しい人間の群れを恐れ、ただ自分の腕の中だけが唯一の居場所だと泣いている。滑稽で愛らしい雛鳥。かつてよりどれだけ強固な檻に囚われているかも知らないで。
これほど彼を満たすものはない。
彼女には、もうここしかない。この冷たい檻の中でしか、生きられない。
コルヴァンはサクの小さな後頭部に大きな掌を添え、逃げ場を塞ぐように抱きしめる力を強めた。サクの涙が彼の黒いスカーフを濡らしていくが、不快感など微塵もない。
「何も恐れる必要はない」
耳元に唇を寄せ、呪いのように囁きかける。
「お前を害するものは、何もない」
サクの背中を、黒く鋭い爪の生えた手で、子供をあやすようにゆっくりと撫で下ろす。撫でるたびに、淡く冷たい魔力が肌を通してサクの身体へ注ぎ込まれ、恐怖で強張っていた筋肉を甘やかに弛緩させていく。
「コルヴァンさん……ずっと、ここにいていいですか……?」
コルヴァンは答える代わりにサクの顎先を冷たい指で持ち上げると、涙に濡れたその唇へ、静かに己の唇を重ねた。
逃げ出せぬよう深く、息の根を止めるほど濃密に魔力を注ぎ込み、甘やかな熱で彼女の思考を塗りつぶしていく。
終