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初代マルチエンドのノベルゲーム!?夢野久作「ドグラマグラ」についての考察

 皆さまお世話になっております!じっくりでございます!

 近況ノートではたまに、私が読んだ書籍について紹介しておりまして、今日は小説「ドグラマグラ」についての考察したいと思います。

 何度か読み返している小説であり、特に「胎児の夢」部分は何度も読み返し、その神秘的で深淵な世界に浸っております。はい、変態です笑

 ~この書物を読破した者は、精神に異常をきたす~

 ものすごい謳い文句……その上『日本三大奇書』という肩書き。とにかくなんかヤバそうな雰囲気がプンプンしているこの小説。

 主人公『私』が目を覚ますと、見知らぬ独房のような部屋で一人でいた。

 私は記憶を失ってしまっていた。

 「コイツ意識戻ってるんですけどぉぉおおお!?」と、衝撃を受ける配給に来た婦人。

 「あなたのいいなづけですぅぅ……!」と、隣の部屋から壁を叩きながら泣き叫ぶ若い美しい女性、モヨコ。

 「ここは九州帝国大学精神科の……」と、主人公の前に現れる若林という教授。

 その教授が、「『正木』という教授が亡くなり、その研究の後任に預かっているのだ」という告白。

 ……このあたりまでがアバンかなと。

 この話ですが、詰まるところ「ガチの自分探し」です。

 自分の記憶を取り戻す。

 自分が、何者であるか。

 それが、この小説の最大のテーマだと思います。

 そして、そんなふうにして若林という教授に連れられ、大学内を散策する中で、『ドグラマグラ』という名の冊子を見つける。

 物語の中に、『ドグラマグラ』が出てきます。

 しかし、ここから先が、辛い……笑

 なにが辛いって、とにかく、膨大な情報なんです。読み進めるのが辛すぎて、そっちの意味で、精神に異常をきたします笑

 ですが、それでも頑張って読み進めていくと、『私』視点に戻って物語が進みます。

 しかし、そのあたりから、不穏な空気が漂い始めます。

 ……あれ?もしかして、俺ってヤバいヤツ……?

 みたいな感じです。

 さらに展開はファンタジー化していきます。

 このあたり、うまく言えない笑

 とにかく『私』を揺さぶってくる。

 (下記、ネタバレ注意)
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 死んだはずの『正木』という教授が目の前にいきなり現れます!笑

 そして正木教授の進める『精神解放治療』という、ぜったいヤバいでしょ……って感じの実験の話。

 そんな中で、自分は『呉一郎』ではないかと思い始める『私』。

 だが、その呉一郎という人物……一家惨殺事件の犯人だった。

 しかしこの呉一郎も、『呉青秀』という、『九相図』という、美人を殺して、その美人が、死後、その美しかった皮肉がどんどん腐って醜い姿に変わっていく様を書き続ける画家が、生まれ変わった姿で……。

 ……うわぁぁあああん!!

 みたいな感じの、リアル風なアバンの入りから、一気にファンタジー的にも展開して、最後はまた時計の針の音で終わるといった物語です。

 説明長くなってしまった……結論を。

 これ、私があまりノベルゲーム的なものをやらなかったので気づかなかったのですが、最近読み返し、もしや?と思いました。

 この小説ですが、どれが正解という明快な答えは、ないと思います。

 明快が答えがない。

 つまり、マルチエンドの要素がある。

 やたらと長く説明されている情報も、ぶっ飛んだオカルト的展開も、過去世の宿業の話も、意味があるとするのなら……これって、いわゆる『ゲーム性』というか、選択肢的な要素ではないかと思いました。

 そして、そのどれに、読者としてリアリティーを感じ、受け入れるかによって、エンディングの感じ方が、変わってくる。

 この小説は、読み終わった後、それぞれ「お前、何エンドだった?」というので盛り上がる小説だったんじゃないかなって、思いました。

 ちなみに私は『呉一郎』エンドといったところですかね笑

 当時ゲームもなにもないのに、ゲーム性のあるマルチエンドの小説というものが誕生していたのかもと思ったので、今回、書かせていただきました。

 以上、考察でした!

 よければ、こう思ったとか、感想いただければ、また、ドグラマグラを読んだお方、ぜんぜん違う考察でいいので、教えてください!

 ここまで書いてなんですが、実際はどうなのか、分かんないの笑

 それでは!

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