桟橋の端から覗くと、水の底に、道があった。
石畳の筋が縦横に走って、窓の穴のある家々のあいだを、魚が曲がっていく。
舟を借りて沖へ出ると、広場も、石の門も、波の模様の敷石も、沈んだまま、まだそこにあった。
日が真上にあるときが、いちばん底まで見えるという。
三人とも、しばらく櫂を動かさなかった。
次の船が出るまで、五日。
待たされる日々は、思ったより、悪くなかった。
第166話「沈んだ街の上」、公開しました。
https://kakuyomu.jp/works/2912051600046524252/episodes/11054822663817409220
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