「虚構の中でしか、語れないものがある。」 理系の本は、現実を反映した理論・シミュレーションを展開する。それに対し小説は、現実の世界に幾つかの仮定を設定し、その虚構中でどのような世界が広がるかを構成していく。そこで、小説は理系の本で書けない事を表現するのに重要な役割を持っている。たぶん、ほとんどの小説は、虚構の中でしか語れないものの表現だと思う。 要するに私が思うに、数多くの小説・演劇・映画・音楽・楽曲などが、虚構の中で表現しているのは、 「上手く生きる事が出来なかった者たちへのsympathy」なのだと思う。