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バックグラウンド

 幼い頃、家にはいろんな本や絵本がありました。
 その中に因幡の白ウサギやスサノオの八岐大蛇退治、山幸彦と海幸彦の兄弟げんかといった日本神話にまつわる絵本があって、それは強烈にぼくの頭の中にすり込まれています。

 外国の童話では、三匹の子豚。あと赤ずきん(何というか報われなさ過ぎ)ですね。それと、我が家は浄土真宗でバリバリの仏教徒なのですが、聖書にまつわる子ども向けの本もあって、羊飼いの少年ダビデが、敵の巨人兵士ゴリアテに石を投げてやっつける話も印象に残っています。

 これらの話は、勇気を出して工夫をしながら困難に立ち向かう話にも読めますし、自分本位に敵を殺し、排除していく話でもありますよね(赤ずきんは違う方向ですが)。やっぱり残酷な話というのは、それだけ純真な子ども心に、ぐさりと食い込むのだと思います。

 こんなふうに幼少期にすり込まれていったある種の毒が、ぼくの精神性、作家性の土台を形作っているように思います。なので、ぼくの作品は、ある意味暴力的にならざるを得ないのでしょう。

 その後、成長するに従って触れていく様々な作品も、ぼくにいろんな影響を与えていくのですが、やはり初期の頃に浴びた毒がぼくの嗜好を決定づけているように思えて仕方がないのです。

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