19世紀末、魔都・上海。西洋と東洋の欲望が渦巻く租界の路地裏で、一人の英国人が阿片の煙に溺れていた。
アーサー・ペンハリガン。かつてロンドンで「アテナの目」と謳われた天才監察医。重い肺病に冒され、死を待つだけだった彼の元に、ある夜、凄惨な死体が運び込まれる。腹部に突き立てられていたのは、一輪の「名前なき薔薇」。
異邦人の巡査・玄龍とともに捜査に乗り出したアーサーは、薔薇と死者の「名前」を巡る恐るべき迷宮に直面する。
その薔薇は何を語るのか。死者が遺した名前の真実とは。
執念の監察医と、孤独な用心棒。二人の孤独な魂は、血なまぐさい租界の霧の迷宮の中、ついに怪物と対峙する。
すべての謎が解き明かされた後、二人は「この世の絶景」を求めて麗江へと向かうのだった。
に更新