令狐冲三

古の名も無き大陸。 突如誕生した魔族の侵攻により、人族の命運は尽きようとしていた。 辺境の地に生まれた一人の剣士。 謎の異邦人魔法使い。 二人の英雄が取り戻したはずの平和は、永く…

サンフランシスコで探偵業を営む「掃除屋」と呼ばれる元プロボクサーは、バーテンの相棒とともに、巷に蔓延るさまざまなトラブルに挑む。 街でクラブを営む名士からとある依頼が舞い込むが……

氷室修兵は一帯を支配する暴力団「室尾組」の若頭。 16歳の時、当時の組長室尾建造に見出され、以来側近として引き立てられてきたが、跡目を継いだ賢秀は父の寵愛を一身に浴びる修兵を快く…

むかしむかし、アッシリア帝国が隆盛を誇った紀元前のむかし。 老人は帝国が滅亡するという神の声を聞く。 彼はその神託を親しい者に告げるが信じる者はなく、ついには、石もて追われるよう…

ある夜、僕は馴染みのプール・バーで、不思議な魅力を漂わせる謎の青年と出会う。 彼の身の上に関心を寄せるものの、彼は譲れぬ一線を頑なに守り、僕の友情を拒絶するのだった。 僕は彼を忘…

夏期休暇を利用して、一人バルセロナへやってきた日本人バックパッカーのアキラ。 途中、アメリカ人記者のマイクと道連れになり愉快な時をすごすが、やがてカルメン、マリアという美しい姉妹…

徹夜明けには酒をくらって眠りこけ、女の電話で呼び出される。なんとなく遊んだ後は、セックスして眠るだけ。自堕落な大学生の休日をのぞき見る……

理想の教育者を目指して飛び込んだ教育の世界。しかし、浩史がそこで体験したのは、堕落と妥協、そして校内暴力の洗礼だった。失望と幻滅。すべてを失った浩史は部屋へ引き籠もり、一人妄想の…

灼けるような気怠い真夏の午後。作家は部屋を出て、編集者と待ち合わせた喫茶店へ急ぐ。待ち受けていたのは、奇妙な現実だった。幾度となくデジャヴは繰り返され、やがて…… 主語を排した実…

美大卒業後、それぞれの道を歩み始めた仲間たち。 誰もが変わりゆくのを感じつつ、一人、榊とだけは変わらぬ付き合いを続けてきたはずの美奈子だったが、時は確かに流れていた。

ずぶ濡れの女が転がり込んだ時、無人のフロアは薄暗く、床屋は暇を持て余したように新聞を読んでいた。濡れた髪を乾かした床屋に、女は嘘のような身の上を語り、髪を切ってほしいと言う。 床…

旧友の依頼を受け、急ぎ現地へ向かった探偵を迎えたのは、その友の遺体だった。 誰が、何のために…？ 背後に浮上するシンジケートの影。 真相を摑んだ探偵は怒りに燃え、亡き友のため立ち…

亡き祖父の友人から父親宛に送られてきた塗りつぶされた古いフィルム。 父に代わり修復したそのフィルムに、彼は何を見たのか？ 雨の中、私を呼び出した彼は、祖父の奇妙な物語を語り始める…

ふとしたきっかけで歳上の男との恋愛に耽溺してゆく女子高生の佳苗。 しかし、二人の世界は違いすぎ、互いの距離が近づくほどに、心は離れてゆく。 そばにいても通じ合えないもどかしさに身…

妻の寝顔に我慢ならなくなり、男は夜の街を一人徘徊する。 ある夜、人気の無い深夜の公園で、美しい女と遭遇した男は……

織田祐二は17歳の高校生。 勉強も運動もそこそこ、やりたいこともなりたい自分もなく、意図せぬ自分探しの日々を漂うように生きてきた。 しかし、二人の人物に出会うことで、彼の中の何か…

突然奪われた優しい日々。その裏にあった彼女の秘密……それを知った時、彼は？

獲物を追って山深く分け入った二人の猟師。 山の神とも見まごう巨大な牡鹿……足跡に魅入られ、その、長く幸福な一日は始まった。

幸いを求める賢者と旅人の邂逅……それは、とある酒場での出来事。

ヒツジという生き物は、時々思いがけず奇妙な風景を見せる……

無にましますわれらの無よ、ねがわくは御名の無ならんことを、御国の無ならんことを、御心の無におけるがごとく、無においても無ならんことを。

昔、愛車のアコードワゴンで日本一周した時の思い出の一コマを短編小説にしてみました。

夜明け前のベーカリー。 人通りの疎らな大通りを見下ろす喫茶室。 目覚める街を活写するスケッチ風短編小説。