本日は、本編の切り抜きを貼り付けました
第一章 第8話の一部分です!
次の瞬間。
ドクン――
心臓の鼓動とともに、黒い何かが身体の内側から溢れ出した。
それは物質ではない。
“質量”を持った闇。
足元から這い上がり、身体へと絡みつく。
ギギ……ッ
軋むような音が響く。
腕に。
脚に。
胸に。
黒い装甲が、内側からせり出すように形成されていく。
骨格に沿って、重厚なプレートが重なり合う。
肩当てがせり上がる。
胸部装甲が閉じる。
腰部装甲が展開する。
(……重い……)
(これ……私じゃない……)
そして――
頭部。
ゆっくりと、兜が形成された。
顔を覆う、無機質な面。
その奥で――
青い光が灯る。
ギィン……
全身の装甲が、噛み合う。
そこに立っていたのは――
もはや少女ではない。
漆黒の騎士だった……
「……さて」
低く、くぐもった声が響く。
「少し、遊ばせてもらうか」
一歩、踏み出す。
その動きだけで、空気が軋む。
バルサが、わずかに目を細めた。
「……なるほど」
「面白いな」