• 現代ファンタジー
  • ホラー

【第一部完】『ボクらは庭師になりたかった』第一部の後書きに変えて

『ボクにわ』第一部完結いたしました。
ここまでお付き合い下さった読者の皆様、応援くださる方々
本当にありがとうございました。

第二部は、2週間のお休みの後、
2月12日(月)の19時より開始します。

今後は、夏波と辻川ひまわりが協力して辻沢のどこかに据えられたいくつかの人柱を取り除く冒険の話になります。鬼子であることを自覚した夏波とヴァンパイアとなって現れた行方不明のはずの辻川ひまわりの活躍にご期待下さい。

第一部の執筆経緯をちょっと。
『ボクにわ』は2年ぶりの新作になります。途中、辻沢の外で作品を執筆していましたが行き詰まり(目途は立っているのでいつか発表しますが)、辻沢に帰ってきました。それが2023年の6月でした。ちょうど生活に変化があって書く環境も以前より窮屈になったのですが、自分は新作を書いて挑戦するしか道はないと思ったのがこのころだったと思います。
 始めにあったのは『ボクにわ』というタイトルだけで、どんな話になるのかわかりませんでした。ただ、『アルゴ』のラストを意識して書こうとは思っていました。つまり後日譚のような形になるかと。
 それで、藤野ミユキ(『アルゴ』第三部の語り手)の養女として、夏波と冬凪という義姉妹を考えだして書き出しましたが、なかなか進捗しない。出来上がったらカクヨムコン9に出そうと思っていましたが、結局12月までに書き上げられたのが、3万字でした。
 ご存じのように、カクヨムコンの長編応募要件は10万字です。のこり7万字、しかもプロットもストーリーもないまま2か月でどうにかできるか、正直不安しかありませんでした。それで『ボクにわ』を公開するまで半月も悩んでしまった。出した後になって、書き切れませんでした、物語が破綻しましたでは、話になりませんので。
 で対策を考えました。目標を、一部完結は目指さずとにかく10万字達成と割り切りました。執筆も、いつもは大雑把に「更新日にあわせて何千字」といった書き方をしていたのを、今回は毎日1500字(仕事から帰ってから12時に寝るまでの間に書けて、二日で1話分の3000字になる量)、何曜日に更新して、何日までに10万字達成といった進捗表(下掲の表 右端が実績 年始以外の飛び飛びは記録忘れのため)を作って着実に歩を進める作戦でやっていくことにしました。(この作戦の何がよかったか。やってみて分かったのですが、毎日1500字をこなしてさえいれば、1月31日には必ず10万字になると目に見えて分かったため、あと何万字もあるとか考えて焦ったりせずに済んだことでした)
 最初はストックはあるので更新に追われることはなく良いペースでした。
けれど一番進むだろうと思っていた年末年始で謎の肺痛を患い、執筆どころではなくなった上に、10万字を公開するため更新ペースも週3から週5に上げねばならない状況になって、一気にストックを食いつぶすことになりました。やっぱり無謀だったかと半分諦めかけたのですが、正月明けには肺痛は謎に快癒して、執筆を再開することが出来るようになりました。この時のストックが3回分。もうギリギリで、1500字だと10万字以前にストック切れになる状況になってしまいました。
 それでも自分はプロ(ではないですが)意識を持って、初めに決めたことはやり抜こうと、更新日を変更することなく1500字を守って書き続けました。帰ってPCに向かってからアイディアを絞り出すと、その分時間が過ぎてしまいます。なので、仕事の休憩時間(昼の1時間、10時と15時の30分)や通勤の電車でスマフォに向かって書いて、ある程度何を書くか決めた状態にし机に向かったらすぐに書き始められるようにしました。最後の2回はついにストックもつきて更新当日にPCに向かって書き上げましたが。
 こんな状況でも諦めなかったのは、1500字ペース作戦もありましたが、もう一つ、自分の長い経験から、
「精一杯やっていると時間は必ず味方してくれる」という信念を持っていたからでした。もう時間ないと思っても諦めずに仕事をしていると、なぜか納期が変更になったり、相手が病気をして打ち合わせが後日になったり。何度も経験してきたのです。だから途中で諦めず最後の最後までやり抜くということは大事なんだと思います。
 そして、締め切り前の1月29日。奇跡的に10万字、第一部完という、目標以上の成果を得ることができました。実際、プロットもストーリーもなく日々字数を重ねる事ばかりを考えていたのに、ちゃんと?完結にもっていけたのは、本当に不思議でなりません。これも皆様の応援のおかげと感謝しています。ありがとうございました。
 現在の『ボクにわ』は料理で言えば仕込みが終わった段階です。第二部、第三部で展開するストーリーに必要な素材を、読者様にご覧いただいた状況です。これからは、その素材を使って、面白い物語を書いていくことになります。うまくいくかは第一部以上に大変なことだと思っています。そのため、少し書き溜めてストックを増やし余裕を持って挑戦していけたらと思っています(2週間お休みする理由です)。
 どうか、これからも『ボクらは庭師になりたかった』を、そして藤野夏波や冬凪、十六夜、ひまわり、鞠野フスキたちのことをよろしくお願いいたします。

それではまた二週間後、辻沢のどこかでお会いしましょう。

真毒丸タケルでした。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する