少し元気になったと思ったのも束の間、今度は揺り返しが来たかのように落ち込んでいます。少し危ないぐらい心が弱っていると気づいて、気分転換のために外に出て家の前の草引きをすれば、いつもそれをすることで母が明るい声で「○○ちゃん、ありがとう」と言ってくれたことを思いだして涙が止まらなくなりました。
そして気づいたのは自分がいつだってその言葉を待ち望んでいたという事実です。それだけのことで本当に幸せで、自分はもう生まれてきた意味を、とっくに見つけていたんだと今さらながらに気づきました。
世間一般で言うところのマザコンのようなかわいげもなく、いつも母に苦労ばかりかけていた私は何かを思い出す度に後悔し続けています。
ほんの一年あまり前に親孝行が足りないと思い直して、母のためにいろいろしてあげたいとガンバリ始めた矢先に、こんなことになるなんて夢にも思いませんでした。
ここから続く未来が、いっそ空虚なものであればと思うのですが、実際にそこにあるのはきっとこれまでどおりの当たり前の毎日で、だからこそ、そこに足りないものが胸を締めつけることでしょう。
息をするのもつらい時間の中で、それでもまだ母の言葉が私を支えてくれています。
無理をするなと言う人も居ますが、この世知辛い世の中ではガンバル以外に今を越えていくすべはありません。だから今はただ足掻くのみです。
たとえ手の中に残らなくともすべてが失くなったわけじゃないと信じて。