第8話「人」は、調べ物とどうでもいいことを考えるのに、かなり時間がかかった回でした。
和田翔太視点は今回で三度目。
一度目は「童貞」、二度目は「変態」、そして今回は、
「僕の名前は和田翔太。慶應卒の覗き魔だ。」
着実に悪化しています。
今回、特に大変だったのが羆牢にいる熊の数でした。
日本中の熊を三十年かけて羆牢へ集めるとして、現在は運用開始から十五年目。実際の国内の熊の生息数や捕獲数などを調べながら、区域内での繁殖や死亡も考えて、現在の推定生息数を11,428頭としました。
たった一つの数字ですが、ここはかなり時間を使っています。
同じくらい時間を使ったのが、マイク加賀和です。
「ナマステー!」と叫びながらユーロビートで踊り、最後はメキシカンハットからコブラが出てくる。
何を書いているんだろうと思いながら、真剣に考えました。
一見どうでもよさそうな人物ですが、一応ちゃんと役割はあります。
本宮と和田の共通点にした吹奏楽も、二人が自然に意気投合できる楽器の組み合わせを考え、チューバとユーフォニアムにしました。
政治部のハヤシを書くためにも、新聞記者が政治家へどう取材するのかを調べています。
こうして振り返ると、熊の生息数からユーフォニアム、政治取材、謎の外国人まで、調べているものがめちゃくちゃな回でした。
そして最後に、本宮と和田の関係が一歩進みます。
なぜこの二人をここで近づけたのか。
そこにも、この先の物語で意味があります。
今はまだ伏せておきます。
第8話「人」。
一番真面目に考えたのが熊の数字で、一番くだらないことを真面目に考えたのがマイク加賀和でした。