第3回目は川本喜八郎氏の紹介です。
川本氏は、人形の動きを通じて豊かな感情や個性を表現する独自の芸術性を確立し、国内外で高い評価を受けた人形美術家・人形アニメーション監督です。
1925年に東京・千駄ヶ谷に生まれた川本氏は、1944年に旧制横浜高等工業学校(現・横浜国立大学)建築科を卒業しました。そして戦後の1946年から1950年にかけて東宝撮影所美術部に勤務し映画製作に携わった後、フリーの人形美術家となります。
その名が広く知れ渡る契機となったのが、NHKのテレビ人形劇シリーズです。1982年から1984年にかけて放送されたNHK『人形劇三国志』、及び1993年から1995年に放送された『人形歴史スペクタクル平家物語』において人形美術・制作を担当しました。その功績から、1988年には紫綬褒章を、1995年には勲四等旭日小綬章を受章しています。
晩年、1990年に訪れたことをきっかけに交流を深めていた人形劇の町である長野県飯田市に自身が手掛けた『三国志』や『平家物語』などの人形200体余りを寄贈。これを基に2007年3月25日に飯田市川本喜八郎人形美術館が開館し、初代館長に就任しますが、2010年8月23日、肺炎のため85歳で逝去されました。
川本喜八郎人形美術館を目当てに足を運んだ長野県ですが、とても良いところですね。昔友人たちと白馬を訪れて以来の訪問だったのですが、食べ物も美味しく、人も親切で、街並みも穏やかでとても好きな場所になりました。またいつか別の展示の際に再訪したいですね。
さて、ここでひとつ人形についての補足をさせてください。第一回目で書きそびれたのですが、人形の目元にも特徴がありまして、瞳が左右に動くもの、瞼(眼球が縦に動いて皮膚と同色の部分を見せる仕組み)が動くもの、眉が動くもの、目元が動かないものの4種類があるそうです。頭部の動きは3種まで組み合わせ可能なのですが、ひとつは首の動きで確定しており、残りふたつが人物ごとの特徴に合わせて組み合わされることになります。なお、目元については、一体につき先ほどの4種のいずれかひとつが割り当てられます。
川本喜八郎人形美術館、三国志好きの方は是非一度訪問されてみてください。お土産も手頃な値段でなかなかに充実していましたよ。