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「真・漫画原作小説コンテストへの道」⑤ ~落選~

こんにちは、埴輪です!

本日「第23回電撃小説大賞一次選考」の結果が公開となり、見事落選しました!

残念!

今回応募した作品は、友人達に企画の段階から色々とアドバイスを頂き、共に作り上げた作品でもあったので、落選はいつもに増して悔しいです!

ただ、落選の原因は全て著者である私の力不足にあります。
一緒に戦ってくれた友人に対しては、ただただ感謝の気持ちしかありません!

ありがとう!

……と、いうのも。

今回の作品を執筆を通じて、私の作品がいかに「読者」を考えていなかったということが、痛いほど身にしみたからです。

これまでの私は、自分の好きなもの、書きたいものを、自分の好きなように、書きたいように書いてきました。

そんな作品を良いと言ってくれる人がいればいいな、認めてくれる人がいればいいな……そんなスタイルで執筆してきたのが、この九年間です。

これはある意味受け身の姿勢でもあり、心のどこかでは、分かってくれる人が分かってくれればいいという思いもありました。

これはこれで間違いではないと、今でも思います。

ただ、プロの作家として生きていこうと考えた場合、このスタイルでは余りにも自分の運を過信していると言わざるを得ません。

もちろん、好きなものを好きなように書いて、それが世間に認められる人もいるでしょうし、それこそ才能がある人なのだと思います。

また、単に今は認められていないだけで、何年後、何十年後、何百年後に評価される……なんてこともあるかもしれません。

ただ、このやり方で問題になるのはずばり「時間」です。

「いつか」ではなく「今」、作家として生きていこうと考えると、「いつか評価される作品」ではなく、「今評価される作品」を書く必要があります。

そのために何が必要かと言えば、「読者」という視点です。

プロの作家というものは、その人が書いた小説をお金を出して読みたいと思う読者がいることで、生活が成り立ちます。

つまり、プロの作家は読者がお金を出して読みたいと思うような作品を書かなければなりません。

何を当たり前なことを……と思われるかもしれませんが、私はこの単純な事実に気付くまでに、9年かかったわけです。

しかも、気付いただけで、それを実現できるようになるには、さらなる年数が必要になると思います。

ただ、売れる小説というものが、単に時流に沿ったネタを組み合わせる……というものではなく、小説に綴られた一つ一つのセンテンス、あるいは全体を通して読者がどう感じるか、次に何を求めるのか、そういった深い部分まで考え抜かれた作品でなければならない……という点に気づけたことは、とても大きかったと思います。

単純に言えば、小説を書くのはとても難しいことだということ。

「小説は誰にでも書ける」……という言葉に関して、私は全力でそうだと思いますし、事実、多くの作品を書いてきました。
私は小説が書ける、その技術を持っているということは、自信を持って言うことができます。

その一方で、この「小説」を「読者がお金を出して読みたいと思う小説」と考えるなら、それ相応の才能と技術がないと無理であると断言できます。
そして、私はこのレベルの小説を書けるように日々頑張っている……ということになると思います。

ただ、ここで断っておきたいのは、「読者がお金を出して読みたいと思う小説」ばかりが良いもの、面白いものではないということです。

例えれば、「高級レストランの一流シェフが作った料理」と、「家族のために母親が作った料理」が単純に比べられるようなものではないということです。

……手前味噌な話で恐縮ですが、調理師免許も持っている私の母の料理は商売ができるレベルに達していますが、それを商売として成り立たせるには、料理はもちろん、その他色々考えなければならないことも多く、困難であると言わざるを得ません。

恐らく小説も同じようなもので、今までの私を母を例にして考えると、母が作った料理を何気なく食べた人が感激して、店を出さないかと持ちかける……そうした感じでプロデビューを目論んでいた感じでしょうか。

……何だか、話が思いっきりずれました。

ともあれ、小説家としてプロデビューを目指す上で、自分の書きたい作品を書きたいように書くことも一つでしょうし、読者を意識した作品を書くということもまた一つだと思います。
また、この二つを摺り合わせるということも、一つだと思います。

ちなみに、私が今回電撃大賞に応募した作品は、まさにこの二つを摺り合わせることに四苦八苦しました。
その苦悩の根幹にあったのは、読者を意識した作品は、自分の作品ではないのではないかという思いです。

ただ、その四苦八苦を超えて今思うのは、そんなことで自分の作品、自分らしさというものは損なわれるものではありませんし、もし損なわれるとしたら、そんなものは自分らしさでも何でもないというか、そんなものなら損なわれてしまった方がいいということです。

本当の自分らしさというものは、そういう葛藤を経ても残る「何か」だと思います。

……何だか自己啓発対な話になりましたが、小説の核、武器となるのは筆者そのものであり、最大の強みは、どんな作家の作品も、その作家でなければ書けないという一点にあると思います。
「誰にでも書けそう」というのと「誰にでも書ける」というのには雲泥の差があり、「誰にでも書ける」と言われている作品の多くは、「誰にでも書けそう」の域を出る物ではないと思います。

こうした細かい違い……本当に些細な部分で勝負するのが小説の世界であり、その台詞、描写が一つあるかないかで勝敗が決する……というのは、決して過言ではないと思います。

……とまぁ、考えれば考えるほど途方もない世界ですが、そこまで突き詰めれるものなのだと、小説の奥深さを改めて知った思いです。

で。

完全に余談ですが……というより、そもそも余談しかないこの近況ノートなので、今更ですが、今、私が感じている率直な思いがあります。

それは、「小説を書くって面白い!」ということ。

今更過ぎる話ですが、「この場面はこれを説明しておかなければ」とか、「読者はここまでこう読んでいるわけだから、ここを読んだ時にはこう思うんじゃないか?」とか、「ここでこうきたら、読者を驚かせるかも!」とか、今まで小説を書く上で気に留めていなかった工夫ができるようになり、とても面白くなってきました!

……といっても、集中力が持たないのは相変わらずなんですがね!

こうした思いで小説を書いたらどうなるのか……そうわくわくしながら書き進めているのが、何を隠そう「漫画原作小説コンテスト」に向けた作品なのですが、その分、予定より時間がかかっているわけで。

昨日の近況ノートでは「締め切り厳守!」を謳っており、もちろんそれを目指しますが、最も優先すべきは、読者に対する意識を保ったまま最後まで書き上げることのような気もしています。

もう、場合によっちゃ1話ずつ公開とか、まぁ、色々手は考えているので、とにかく、毎日の執筆を楽しんでいきたいと思います!

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