花壁

願わくば、彼が真実を知らず私を憎めばいい。

「君以外に割く時間など意味を持たない」

「無事に帰ってきてちょうだい。それだけがあたしの願いよ」

「母と私が瓜二つでも私は私。あんたなんか嫌いよ。ばーか」

契約結婚を結んだ私は王女様の身代わりだったと知る。

機嫌が悪いと言ったはずだ。今すぐ立ち去るか頭に風穴を開けられたいか選べ

「あなたが私を殺して。最初からそのつもりだったんでしょ」

王女と秘密を抱えた獣のお話。

俺は、人を殺した。それは仕事で、国のためだという。

「でも、生きていれば道筋なんてものはどうにでもできるものだから」