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『無慚ームザンー』への感想

自主企画に参加させていただいたので、こちらですこし無慚の説明をいたします

舞台は江戸中期、摂津国道頓堀。
天下の台所と呼ばれたこの船場で殺人事件が発生します。

好きな登場人物はやはり、主人公無慚。
もともとは人形浄瑠璃の近松作曽根崎心中の奮起に影響されて構想がでたお話です。
※心中物語ではないです

なので今後出てくる台詞となり恐縮ですが、この無慚という男、キメ台詞を曽根崎心中の一節から拝借する予定となっております。

いまのところ
『どうもご馳走さまでした』
が好きな台詞でしょうか……

荒くれ坊主の無慚が、仏教発祥のこのことばを丁寧につぶやくところに、無慚の本質を乗せてゆきたいという願望です


よろしくお願いいたします。

3件のコメント

  • 応援コメントに寄せられたテンションの高いご感想から一転、バリバリの時代物が始まって非常に驚かされました 笑

    さて、ご参加ありがとうございます
    時代劇の王道、ミステリー仕立てのお話ですね
    まだまだ序盤ですが、感想書かせていただきます

    まず目を引くのが、上方言葉での軽妙な会話です
    特にふねさん
    江戸の女でいうところの「小粋」さがあります
    下品になりすぎない下町の話し方が、動詞活用の違和感もなく展開されていて、
    とても心地良かったです

    ──。
    ────。

    時間の経過と場所の移動が起こったこと
    これを、全く文字を用いずとも的確かつ端的に表現したこと
    それ以上に、比較的重厚な当作のなかで、ある種、飛び道具のようなこの表現方法を使おうとした判断

    書き手のバランス感覚の良さが表れていると感じました

    若干ながら、気になる点は、
    文章の修飾対象が不明確になりがちであるところ

    引用)

     頭上でしわがれた声がした。直後、空から降ってきた。どうと音を立てて地に叩きつけられたそれが何ものか、うす暗い黄昏どきではよく見えぬ。

    「声がした」→「降ってきた」だと、何が? と読者の一瞬意識が飛びます

    改訂例)

     頭上でしわがれた声がした。直後、空から降り来る、何ものか。どうと音を立てて地に叩きつけられたそれは、うす暗い黄昏どきにはよく見えぬ。

    対象物を、その登場と同時に確定させることで、
    読者の認識にタイムラグが生じず、読みやすくなるはずです

    同じく、この文章の直前に戎橋を歩いていた「最後の客」が男であることも、先に示しておいてほしいです

    「最後の客」の背後に降りきた男体型の知的生命体が、狭窄音を立てながらにじり寄って来ているのかと誤読しました
    あれ、そんな話だったかなって 笑

    引用)

     店前の大路では荷をしょった人足が足早にとおりすぎ、老婆と娘が連れ立ってむかいの呉服商へはいってゆく。
     しかも両目とも、と女主人は男のとなりに腰をおろした。

    ここも、先程の誤読が誤読とわかっていながらも、老婆と娘の目に何事か起こっていたのかと思ってしまいました

    改訂例)

     店前の大路では荷をしょった人足が足早にとおりすぎ、老婆と娘が連れ立ってむかいの呉服商へはいってゆく。
     女主人は男のとなりに腰をおろした。
    「しかも両目とも」
     名をふなといった。

    こちらも少し入れ替えただけですが、
    漫画に直すとしたら、大ゴマのベタフラッシュでふなさんの顔が抜かれるように変わったと思います

    引用)

    注文したのはここに腰かける僧型の男である。ほかに客はない。

    情報を順繰りに出していく、という点では、これを、

    改訂例)

    注文の主人である僧型の男のほかに、客はない。

    とした方が、よりスマートかと思いました
    また、編み笠をかぶる僧侶は、尊敬の対象である寺勤めの「お坊さま」とことなり、
    無頼モン、世俗とは離れたもの
    なので、現代人の考える「僧侶らしからぬ」イメージそのものかと
    地の文の視点をどこに置くかの違いでしょうが、当作の雰囲気からは、設定時代の風俗に合わせた方が良いかと思います

    それから、第一話目の場面転換を減らすためにも、
    無惨の紹介は、今はいらないかなぁと感じました

    場面転換が行われると、読者は脳内舞台セットを新たに組み直さなくてはいけませんから、
    物語に対する集中力を要求されます

    特に当作は、物語が現代人に馴染みの薄い浄瑠璃から始まり、戎橋での怪異→団子屋にての主人公お披露目→少女による主人公への風説
    と本題である、主人公の事件調査までに多くのクッションが挟まれています

    主人公の生い立ち紹介は、今すぐに必要な情報ではありませんし、
    物語が進めば、自然と読者のなかで、
    この人一体どんな人生歩んできはったんやろ
    との疑問が浮かぶことでしょうから、
    そのときに、満を持しての公開としても遅くはないと思いました

    さてさて、瑣末なことばかりあげつらいよると思われたかもしれませんが、
    些細なことくらいしか目に付かないんです……!
    これからの展開、とても楽しみにしております
    ありがとうございました
  • あ、すみません
    無慚の台詞について、最後に書こうと思って入れ忘れてました

    そう、あの台詞だけ良い意味で浮いているんですよね
    荒っぽい口調なのに、いきなりフラットにお行儀良いことを言う

    なるほど、こっちが本質ですか
    ふうん、で? お育ちは?
    と小さな疑問になるんですよね
    その小さな疑問が、今後どこまで積み重なっていくのか、そこが楽しみに思います

    はい、以上です
    長々と失礼しました!
  • くわしく読んでくださってありがとうございます!
    わざわざ訂正まであげていただき、ありがたく今後の参考といたします。

    無慚の過去に関しては、こいつ予想以上の重い過去持ちなのでここくらいは早めにださんとあとが詰まりそうで出した次第です。。
    とはいえ、私も書きながら(ここはあとに回したいな~)とおもっていたところでもあったので、やっぱり!と手を打つ気分でした。

    さらに死体が落ちてくるところ。
    あそこもやはり納得いかぬままアップしていたところでした笑
    やはりそういうとこは目につくんですね。精進します。

    今後もがんばります。
    よろしくお願いいたします。

    はな

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