勇者たちを支えていたのは、聖剣でも魔法でもない。
リンが緻密に組み上げた『精霊との契約管理』だった。
しかし、無知な勇者はその実務を侮り、彼女を不当解雇する。
彼らは知らなかった。自分たちが享受していた恩恵が、彼女の手による正当な仲介(リーガル)によってのみ成立していたことを。
そして、彼女の隣に寄り添う愛らしい精霊ナトゥが、世界の理を司る『大精霊』であることを。
「契約解除の通知は済んだわ。……さあ、加護の『差し押さえ』の時間よ」
これは、感情に流されない冷徹な実務家と、底知れぬ力を持つ大精霊が、異世界の不条理な契約を法的に、そして圧倒的な力で粉砕していく記録(アーカイブ)。
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