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11/11は……(華散る高校生組 ショートショート)

あてんしょん!


華散る14話までのネタバレを含みます。
……というか14話まで読んでいないと「なんのこっちゃ」ってなる内容です。

オチはないです。



















「ポ○キーゲーム_____」

スーパーのお菓子売り場で、しゃがんだ玲衣さんがつぶやいた。

「____って、何ですか?」

「あれ、玲衣さんご存知ないんですか」

私____竹花優希(今は夢術を解いてる)は、彼女に尋ねた。

甘いもの大好きな玲衣さんのことだ。
ポ○キーゲームのことを知っていると思っていた。

彼女は立ち上がる_____その手にいちご味のポッキ○を持って。

「ええ、初耳です。
なんてったって、私はいちご味に一途ですから!」

「玲衣さん、フレーバーの問題じゃないんですよ」

私は思わず突っ込む。

すると、彼女は首を傾げた。
……いちご味のポッ○ーを買い物カゴに入れながら。

「ポッ○ーゲームって……ポ○キーを早く食べ終わったほうが勝ちのゲームですか?」

「風情なさすぎでしょ、そのゲーム」

それただの早食い競争だから。

私はそっとポ○キーを棚に戻した。

「玲衣さん、さっきアポ○買いましたよね?
2個は食べ過ぎです。
それにまだポ◯キー、家にあるでしょ」

「そこをなんとか…!」

「ダメです」

私はピシャリと言う。

いくら玲衣さんが食べても太りづらい体質とはいえども、食べ過ぎは健康に悪い。

ここは私が心を鬼にしないと…。

彼女はむぅ、と頬を膨らませた。

「んじゃ、ポッ◯ーゲームって何か教えてくださいよぉ」

「ポ◯キーゲームとは……」

そこまで言いかけた私は……ふと、あることを思いつく。

……これはチャンスじゃない?

玲衣さんと風磨は、どう見ても相思相愛だ。
むしろ互いに気づいていないのがおかしいくらいに。

私は内心でニヤリとする。

これはチャンスだ。
この機を上手く使えば……二人をくっつけられる!

私はニッコリと笑って言った。

「風磨に“ポッ◯ーゲームしよう”と言ってみたら…きっと、わかりますよ」


* * *



_____夢術:演

夢術を使った俺は、玄関の扉を開いた。

「ただいm……」
「風磨くん、ポ◯キーゲームしましょう!!」

俺の声をかき消す勢いで、玲衣さんが叫ぶ。

「……」

食い気味すぎるでしょ、玲衣さん。

いや、焚き付けたのは俺なんだけどさぁ…。

案の定、風磨は口を開けてポカンとしている。

「…ポ◯キー、ゲーム…です、か…?」

「はい!」

頭を抱える俺。

代わりにブッと吹き出したのは、シオンだった。

「ちょっ、ユーキ…玲衣さんに何言ったんすか…www」

「……悪りぃ、ここまでノられるとは思ってなかった」

とはいえ半分俺も吹き出しそうなのも事実。

……さて、風磨はどう反応するんだろうか。

目を瞬いた彼は、小さな声で言った。

「______か?」

「え?」

「ポッキ◯ゲーム、って……なんですか…?」

その言葉で辺りに下りる、静寂。


……そう来たかぁ…。

俺は頭を抱えるしかできなかった。


fin

3件のコメント

  • ポ◯キーの日だからって、ポッ◯ーゲームすると思いました?( ̄∀ ̄)フフフ

    そんなことしませんよ〜(というかこの二人には出来ないと思いますw)
  • なかなか、いいですね!
    まさか、風磨君迄が
    ポッキーゲームを知らないとは
    いいオチですね。
    さすがです!
  • ありがとうございます!

    ポ◯キーの話を書こうと考えたときに、一番初めに頭にポッキ◯ゲームが浮かんだ私は、きっと漫画の読みすぎですねw

    風磨はそういう感じのものを全然知らなさそうなイメージが(なぜか勝手に)あります。
    なんていうか………とにかく良い意味でも悪い意味でも純粋そうです(勝手なイメージです)。
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