あてんしょん!
華散る14話までのネタバレを含みます。
……というか14話まで読んでいないと「なんのこっちゃ」ってなる内容です。
オチはないです。
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「ポ○キーゲーム_____」
スーパーのお菓子売り場で、しゃがんだ玲衣さんがつぶやいた。
「____って、何ですか?」
「あれ、玲衣さんご存知ないんですか」
私____竹花優希(今は夢術を解いてる)は、彼女に尋ねた。
甘いもの大好きな玲衣さんのことだ。
ポ○キーゲームのことを知っていると思っていた。
彼女は立ち上がる_____その手にいちご味のポッキ○を持って。
「ええ、初耳です。
なんてったって、私はいちご味に一途ですから!」
「玲衣さん、フレーバーの問題じゃないんですよ」
私は思わず突っ込む。
すると、彼女は首を傾げた。
……いちご味のポッ○ーを買い物カゴに入れながら。
「ポッ○ーゲームって……ポ○キーを早く食べ終わったほうが勝ちのゲームですか?」
「風情なさすぎでしょ、そのゲーム」
それただの早食い競争だから。
私はそっとポ○キーを棚に戻した。
「玲衣さん、さっきアポ○買いましたよね?
2個は食べ過ぎです。
それにまだポ◯キー、家にあるでしょ」
「そこをなんとか…!」
「ダメです」
私はピシャリと言う。
いくら玲衣さんが食べても太りづらい体質とはいえども、食べ過ぎは健康に悪い。
ここは私が心を鬼にしないと…。
彼女はむぅ、と頬を膨らませた。
「んじゃ、ポッ◯ーゲームって何か教えてくださいよぉ」
「ポ◯キーゲームとは……」
そこまで言いかけた私は……ふと、あることを思いつく。
……これはチャンスじゃない?
玲衣さんと風磨は、どう見ても相思相愛だ。
むしろ互いに気づいていないのがおかしいくらいに。
私は内心でニヤリとする。
これはチャンスだ。
この機を上手く使えば……二人をくっつけられる!
私はニッコリと笑って言った。
「風磨に“ポッ◯ーゲームしよう”と言ってみたら…きっと、わかりますよ」
* * *
_____夢術:演
夢術を使った俺は、玄関の扉を開いた。
「ただいm……」
「風磨くん、ポ◯キーゲームしましょう!!」
俺の声をかき消す勢いで、玲衣さんが叫ぶ。
「……」
食い気味すぎるでしょ、玲衣さん。
いや、焚き付けたのは俺なんだけどさぁ…。
案の定、風磨は口を開けてポカンとしている。
「…ポ◯キー、ゲーム…です、か…?」
「はい!」
頭を抱える俺。
代わりにブッと吹き出したのは、シオンだった。
「ちょっ、ユーキ…玲衣さんに何言ったんすか…www」
「……悪りぃ、ここまでノられるとは思ってなかった」
とはいえ半分俺も吹き出しそうなのも事実。
……さて、風磨はどう反応するんだろうか。
目を瞬いた彼は、小さな声で言った。
「______か?」
「え?」
「ポッキ◯ゲーム、って……なんですか…?」
その言葉で辺りに下りる、静寂。
……そう来たかぁ…。
俺は頭を抱えるしかできなかった。
fin
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