「どもっ! 異端審問官リンゼイと」
「その護衛騎士のディーンでーす」
「「二人合わせて、『異端審問官リンゼイ&ディーン』! お前の原罪を数えろ!」」
「と、いうわけで今回も始まりましたっ。この漫才なんだかわかんないやつがっ」
「……さらっと、斬太さんのネタをパクっているところが怖い……」
「パクってないよ! 良いものを見たら、自分にも取り入れ、改善する。これ、日本人のモノづくりの原型だよっ」
「俺、日本人じゃないし……」
「さて、第二回目は、料理です!」
「コメントで、節トキさんが、『ディーンズ・キッチン』が観たいとかおっしゃってたな」
「……あれを見たとき、僕は思ったね……」
「なにを。あ。今日、だから俺、レシピと材料を……」
「僕だって、料理できるもん!!」
「もう、「もん」って言ってる段階でこいつ、どうなんだ……」
「ということで、今から始まる夏に向け、屋外で楽しめる料理をここで、ばばん、と紹介しちゃうよ!」
「リンゼイ、料理作れたっけ?」
「失敬な! 棒巻きパンを作ってやったじゃないか! ディーンも『美味い』って言ってたでしょ!?」
「ああ! あれな!! なるほど。アウトドアにも最適だし……。いいんじゃないか? 作り方、教えてくれよ」
「まず、ホットケーキミックスを用意……」
「異世界にねぇよ!」
「ちっ。いろいろうるさいなぁ。じゃあ、強力粉と薄力粉を百グラムずつ用意してください。ドライイーストも少々」
「……ドライイーストか……。ドライじゃないけど、イーストはあるな……」
「あと、砂糖を大匙で、どばっ。バターもすくって……。こんぐらいを、ぼこん」
「うわ……。めちゃくちゃ目分量……」
「で、水はね、厳密に! 粉の状態とか見ながら100~120cc!」
「急に厳しくなった……」
「材料を全部ボールに入れて、こねます。これが、生地になります。はい、ディーン。こねて」
「はいはい」
「その間に僕は火をおこします。生地は、あったかいところに放置して、二倍に膨らんだら……。割り箸を用意!」
「割り箸もないから、洗った木の枝を使う。ちゃんとナイフで真っすぐに削ってやったぞ」
「ちっ。……これだから、異世界は……」
「舌打ちをするなっ」
「さて。この発酵して膨らんだ生地をですね、小さくちぎって、へびのように細―く伸ばします。うどんみたいに。で、これを木の枝に、重ならないように上から順に、まきつけます」
「なるほど。これを、きりたんぽみたいに、火であぶって食う、と」
「キャンプにいいでしょ?」
「子どもウケするかも。セトなんて、『自分で焼きますっ』ってひったくるな。……で、その後、焦がす……」
「子どもウケを狙うなら、『ペットボトルパン』もあるよ!」
「ペットボトルがねえよっ、って言いたいけど……。ああ……。前回お世話になった化学同好会の方々が後ろに控えてらっしゃるから……。あ。材料受け取ります。はい。リンゼイ、続けて……」
「まず、500mlのペットボトルをよく洗って、乾かして……。オリーブオイルを少々入れます。要するに、内部に粉がくっつけないように入れるので、たくさんは必要ありません」
「オリーブオイルを入れて、蓋をして、回す、と……。できたぞー」
「そこにですね、この、粉一式を入れます。中身は、小麦粉100g程度、ドライイースト3g、砂糖と塩を少々を混ぜたものです。ペットボトルの口に、じょうごをセットして、こう、どばーっと」
「静かにっ、ほら、静かに入れるっ! 粉が舞う!」
「で、ここに水を65ml入れたら、蓋をします。で、ひたすら、ペットボトルを振ります。はい、ディーン」
「(縦に横に振り続ける)お。まとまってきた……」
「まとまってきたら、蓋の方にこう、生地をまとめて……。で。ずーっとこのペットボトルを抱きしめておきます」
「え。抱きしめんの?」
「発酵を促すため、しばらく抱いておくの。ディーンと僕の間に入れてぎゅって、はさむ?」
「……いや、俺だけでいいや……」
(しばらくして)
「あ! そうそう! こんな風に、ペットボトルがぱんぱんになったら、十分ですね! 表面が膨らんで、かちかちになればOK」
「なんでこれ、こんなになるの? うわ。ぱんぱん」
「発酵でガスがたまるんじゃない? ディーン、クッキングシート広げてー」
「はいはい」
「さて。蓋を外すよー」
「うわっ!! にゅる―――、って生地がペットボトルから、勝手に出てきた!」
「ガスで押し出されるんだって。面白いでしょ!? 子ども科学教室でもウケるらしいよ!」
「へえ!」
「で、この生地を、さっきと同じように小さくちぎって、蛇のようにして……」
「棒に巻いて、焼く、と。なるほどなー」
「どうでしたでしょうか!? 第二回目! 「お料理、やってみた!」の回!」
「これ、ピザ生地にもなるな……。リンゼイ、火! 火、ちょうだい」
「まだまだ続く、僕たちの旅の本編はこちらっ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889618414」
「セトが腹すかせてるから……。リンゼイ、火!」
「それではまた、お会いしましょう!」
「ああっ! セト!! 火に近すぎるからっ! それ、焦げるやつだからっ」
※気温によって発酵の進み具合がまちまちですが……。ま、それはご愛敬ということで。また、ペットボトルパンで使用するペットボトルは、できるだけ『炭酸飲料』のものを、ご使用ください。