・鼓も笛も用いぬ沈黙の中で戦を指揮し、千余の契丹軍を擁する宿営地を数刻の内に壊滅させた。常識で言えばそれは驚嘆の戦果であり……
いわゆる、鼓吹兵もない状態で、「かかれー!」「あいつだー!」と声掛けだけで集団戦闘をするのは異常事態で、漫画や映画や小説だけの世界観です。激烈な戦闘の喧騒の中では、人の叫び声は3メートル先でも聞く事が困難です。
よほどの理由がない限り、集団戦闘は事前に示し合わせた作戦行動を、楽器等の大音量や旗などで伝えて実行に移します。
この奇襲にしても、作戦の中盤以降では鼓吹兵の合図が合ってもおかしくはありません。戦闘終了の合図がなければ、戦いを無意味に継続させかねないからです。
・阿保機とは契丹語で『アブーチ(簒奪者)』を意味するが、同時に契丹人の古い言葉で『鷲』を意味する言葉でもある。
アブーチ(簒奪者)が本当に鷲の名前でもあるかどうかは定かではありません。
ちなみに、これはアブーチが簒奪者の意味である、というのはモンゴル語abu-を根拠としていて、
他にツングース語の天Abkaや、満州語の大Ambaであるという説があり、むしろそれが有力です。
でも、なんというか、
この時こう……降りてきたので、多分、本当だろうなと思っています。本当にすみません。
・ネリ
涅里です。グインの息子は、実はあの耶律阿保機の系譜?上で確認できる始祖だった、という設定です。
この涅里なる人物がいつどこで、どんな両親の元に生まれたかは詳らかではありません。
唐書には、泥里(ネリ)が735年に李過折を殺害した、というものがあり、後の遼史に色々と活躍し、耶律氏の始祖であるという旨が書かれていますが、遼史が割と適当で……
ちょうどこの時代でこの年齢ならあり得る、ということで設定したのですが、なんとなく「本当にそうなんじゃないか」と思ってしまうほど、何かを感じています。
この世界には、因果とか宿業みたいなものはあるな、と感じており、
特に歴史を俯瞰で見る時、そのダイナミズムを感じざるを得ず、
最早それはスピリチュアルの領域ですらある、と感じます。