いつも作品を読んでいただき、ありがとうございます。
もともと私は読み専で、設定を考えるのは好きなのですが、長い文章を一から書くのはどうにも苦手です。
そこで今は、AIにすべてを任せるのではなく、自分は作品の方向、設定、展開の採否を決める「編集者」のような気分で作っています。
今回は、この小説で生成AIをどのように使っているのか、制作方法も含めて少し書いておこうと思います。
この作品では、設定の整理、プロット案の作成、本文ドラフト、文章のリライト、設定矛盾の確認などに生成AIを利用しています。
ただし、「続きを書いて」と一度だけ指示し、出てきた文章をそのまま公開する形ではありません。
制作は、おおむね次の順番で進めています。
1. 作品方針と設定を確認する
2. 章全体の開始地点と終了地点を決める
3. 各話の目的とプロットを作る
4. 自分で内容を確認し、採用する展開を決める
5. 本文ドラフトを作る
6. 文体をリライトする
7. 前話、設定、プロットとの矛盾を確認する
8. 音声再生によるながら確認
9. 問題のある箇所だけ修正する
10. 完成後に設定資料と変更履歴を更新する
使用している制作環境と、それぞれの主な役割は次の通りです。
・VS Code:設定、プロット、本文をMarkdownファイルで書き、フォルダごとに管理する執筆環境
・Git:変更前後の差分と履歴を残し、修正箇所を確認したり、必要な状態へ戻したりするために使用
・Codex:複数の設定ファイルや前話を読み、プロット、本文、矛盾確認、資料更新など、作品フォルダ全体に関わる作業を担当
・GPT:設定や展開の相談、アイデア出し、章や各話のプロット候補を考える時に使用
・Claude:本文のリライト、短文の連続や文末の偏り、会話と地の文のリズムを整えるために使用
同じ原稿をすべてのAIへ丸投げするのではなく、得意な作業ごとに役割を分けています。最終的な採用、修正、公開の判断は自分で行います。
設定資料も、主人公、主要人物、能力、舞台、伏線、文体ルールなどに分けて管理しています。
これは、話数が増えた時に「まだ覚えていない能力を使っている」「人物の口調が変わっている」「関係が急に進んでいる」といった問題を減らすためです。
設定をどのくらい作り込んでいるかというと、現在は、
・作品方針:約1,700字
・世界観:約4,300字
・主人公設定:約3,800字
・主要人物:約8,400字
・能力とシステム:約5,500字
・文体と執筆ルール:約3,000字
となっています。
伏線、敵、舞台などを加えた小説本編用の主要設定は約3万8,000字。用語集、歴史、漫画用の外見設定まで含めると、現在は約5万2,000字あります。
ただし、書き始める前に5万字すべてを用意したわけではありません。
開始時は、作品方針、主人公、主要人物、物語の開始に必要な世界観と能力、文体ルールを合わせて、1万〜2万字程度あれば十分だと考えています。
まだ登場しない国や人物まで先に決めず、各話のプロットで必要になった時に設定を追加します。決めきれないものは無理に確定せず、「未確定事項」として別に残します。
重要なのは設定の総文字数より、「今回の話でAIが参照すべき情報が、探せる形で書かれているか」です。
AIへ任せているのは、案を出すこと、資料を比較すること、文章上の問題を見つけることです。
一方で、
・どの展開が面白いか
・キャラクターらしい行動になっているか
・どの案を採用するか
・設定として確定してよいか
・最終的に公開してよいか
といった判断は、自分で行っています。
AIの文章もそのまま採用せず、短文の連続、同じ文末、設定の再説明、感情の説明過多、毎回同じような締め方になっていないかを確認しています。
特に、主人公の性格、作品の笑いどころ、シリアスな場面で茶化してはいけない部分は、制作資料へ明記しています。
AIを使うことで、設定の整理や矛盾確認はかなり進めやすくなりました。
その一方で、作品の方向を決め、登場人物を守るのは人間の役割だと考えています。
AIには速度と比較を任せる。
人間は面白さとキャラクターを守る。
今後もこの方針で、一話ずつ確認しながら制作を続けていきます。
引き続き、楽しんでいただければ嬉しいです。