ゴミスキルしか持たない不遇職からは疎まれ、神スキルに恵まれた優遇職からは雑魚扱いされる軽戦士は色々な意味で不遇な前衛職だ。軽戦士の代名詞とも言える固有スキルの軽装備は防具装備枠を一つ減らす代わりに武器や装飾品を含めた装備の補正を2倍にするという非常に強力なスキル。装飾品枠を一切持たない蛮族のように特別な第二職業持ちと似たようなことができる反面、筋力強化や耐久強化といったステータス上昇系のスキルが2つ付いた高価な神器や高いステータス補正の得られる高レベルの装飾品を揃えなければ、軽装備スキルの効果を十分に発揮することはできない。一般的な探索者はそういったレア装備に手が届くことなど有り得ないので、装備枠が減った分だけ防御力の低い敏捷特化の前衛職としてしか見られないのが悲しいところだ。更に言うと初期スキルが片手剣すら扱えない短剣術なせいで、リーチの短さからモンスターの巨大化する深層では常にリスクのある戦いを強いられる。頼みの覚醒スキルは武神の健脚という使用中に限り敏捷値がレベル分だけ上昇するアクティブスキルであり、ダンジョン探索において活用することは困難を極める。ただでさえ普通のスキル装備を使いにくい職業なのに前衛に立つダメージディーラーとしての活躍が期待できない以上、火力に特化した優遇職を持った新しいメンバーが加入したことで結成時より所属していた探索者クランから追放されるのも致し方のないことだろう。一人の軽戦士として長年戦い続けてきたとある男は、そう自分に言い聞かせながら今日も野良専の探索者として活動している。