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リアの設定とか①



 本文に書こうと頭を悩ませましたが無理そうなので近況ノートにざっくり書こうと思います。
 裏話的な話になりますが、この小説は元々ノクターンノベルというR18小説サイトに掲載する予定で設定を考えていた為そのまま書くとBANされそうな内容がちらほらあるのですよね。
 使い魔二人の前世での境遇なんかはその最たるもので、ぶっちゃけてしまえば陵辱的な内容も含みます

使い魔について
・使い魔は異界で死んだ獣や虫、人はもちろん精霊や妖精などの多種多様な魂が死後の世界の内のひとつである「微睡の世界」に滞在中に召喚魔法によって召喚され使役された存在

・レベルは召喚した主人と同等になる。使い魔の強化システムは少し特殊で様々な特殊条件を満たしてスキルツリーを解放して強くなるタイプ。
 使い魔によって保持しているスキルツリーは違い、これに関しては生まれ持った素質に依存する


リアについて
・かつて、多くの淫魔が人間の大敵として暴れていた世界の出身。人間達は血の滲むような試行の果てに淫魔の用いる「魅了」に対する耐性を後天的に得る事が出来る魔法薬を作成。安価に手に入るそれは爆発的な速度で世界中に普及し人間達に安息の日々を与えたが、それは今まで隆盛を誇っていた淫魔達にとっては試練と暗黒の時代のはじまりでもあった

・今まで人間を餌として搾取してきた淫魔達は僅か100年ほどの間に被差別階級へと零落。リアはそんな時代に生を受け、一年中雨が降り頻る暗い街で辛い一生を過ごすことになる

・サキュバスにとって抗えない生理的欲求、それは性への渇望だった。理性で抑制出来るような、そんな生ぬるい衝動ではない。喉が渇けば水で潤したくなるのと同様に、何を犠牲にしてでも手を伸ばしたくなる、抗えない欲求。リアは自分を罵倒し、踏み付け、搾取する異種族にこうべを垂れてでも情けを受け取っていた。世界で一番不幸なのは自分で、好き勝手をして末裔に負債を強いた先祖達を日々呪った。彼女は知らなかった。そんな自分でさえ世界中の虐げられ続けている淫魔の中では比較的上等な扱いだったという事を。

・闇社会の男たちがリアに強いた仕事は暗殺だった。淫魔は男性を襲うという特性上、異種族に比べ気配を絶ち懐に忍び込むのに適正があったのだった。

・ある日、リアはいつものように仕事に向かう。クライアントにとって生きていると不都合がある人間を強盗殺人を装って処分する。月に数度の頻度で見かけるポピュラーな依頼内容だった。いつものように雨音に塗れ、気配を殺し標的の元へ向かう。すると、そこでリアはショッキングな場面を目の当たりにしてしまう。標的の男性が妻と子供とテーブルを囲い、ご馳走に舌鼓を打っていたのだ。その時にリアが感じた感情は筆舌に尽くし難いものがあった。自分は家畜すら拒むほどの餌と表現するのも戸惑われるものを雨漏れする不快な部屋の片隅でちびちびと食べる事にすら苦労しているのに!自分は親の顔など見た事もなく、同じ立場の同類すら居らず、この世で受ける悲しみや憎しみを誰とも共有出来ず、日々世界を呪っているというのに!抗えない欲求を盾に殴られ、蹴られ、唾を吐かれ、罵倒される。それでも、おざなりに与えられる性的快楽は涙が出るほど心地良くて、ここから逃げ出せばまた再びそれが与えられる保証はなく、心を無にして隷属しているのに!!——種族の違い、たったそれだけの事で自分はこれほどに落ちぶれ、苦悩し、それに引き換え目の前の家族はなんだ!とても同じ世界に生きているとは思えないほどに満たされ、幸福に浴し、明日への不満など微塵も感じられないどころか期待と栄光を確信しているかのようではないか!リアの心に黒い感情が渦巻いた。それは怒りなのか憎しみなのか?それとも別の何かなのか?
リアは頰を伝う冷たい雨が熱を持ち蒸発し曇天に消え去るのではと思えるほどに頭に血が昇っていた。しかし、身体に染み付いた隠密技巧は熱を持つ内面とは裏腹に冷徹に標的の懐へ彼女の身を運び速やかな暗殺を成し遂げていた。仕事終わりの道中、リアはふわふわした感覚に囚われていた。幸福塗れの家族を皆殺しにした爽快感?それともあれほど幸せそうにしていた家族を破壊してしまった罪悪感?否、彼女にそんな感情は微塵も無かった。リアは日々の暮らしが常に精一杯で、他人に対する優しさだとか憐れみだとかそんなものを抱けるほど上等な暮らしをしておらず、そのような感情を抱ける土壌が皆無だった。リアの胸中を占める感情、それは家族への憧憬と期待だった。もしかしたら……リアが知らないだけで、この世の何処かにリアの両親が存在し、彼ら彼女らは安心出来る家とあたたかいご飯と優しい微笑みを持っているのではないか?彼らは何らかの事情によりリアと離れ離れになっていて、今この瞬間も彼女の事を探しているのではないだろうか?リアはその考えに思い至ると、世界に光明が刺したかのように感じた。それがたとえ偽りの希望であろうとも、彼女の行き詰まった生活で鈍化した頭にはこの世で唯一の真理に気付いたかのような衝撃を与えていた。

・リアはこの屈辱的な日々がこの世の最底辺であると考えていた。しかし、どのような世界でもそうであるが想像の及ぶ程度の「最低」は大抵の場合地獄の入り口にすら及ばないほどの「マシ」な境遇である。リアは、その日はじめてそれを実感していた。ある日、本当に何の脈絡もなく、ギラギラと不気味に輝く魔法鎧に身を包んだ数名の騎士が、招待もしていないのに彼女の寝床に乗り込んできた。リアに抵抗する余地などなく、その岩のように強固な拳で打ちのめされ、引き摺られ、拘束された。騎士達は小さな小さなリアに過剰としか思えない尋問を加えた。他に淫魔がいないか、調べる為だった。この世界の人々にとって淫魔とは邪悪で、醜悪で、何より恐怖の対象だった。しかし、そんなことはリアには関係ない。リアは自分以外の淫魔など見た事がない。——他の淫魔はどこにいる?そんなもの、こちらが聞きたいくらいだ!それが彼女の心の底からの本音だった。やがて時が過ぎ、リアは外に居た。オシャレな木製の首輪をつけて。なんと、両手をはめる穴までついているお得仕様だ。今なら頭上に首を断つ為のギロチンまでついてくる。リアは地獄の日々の終わりを祝う気持ちと死という未知への恐怖心でぞわぞわした時間を歯を食いしばって耐えた。お父さん、お母さん……何処にいるの……?胸中に抱いた最後の問いに、答えは返って来ず、リアは15歳という長い生涯を終える事となった。

気が向いたら続きます

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