本作は執筆過程で生成AIを使用しています。アイデアだし・プロット・構成・最終調整は私が担当し、AIは下書き・推敲・整合性チェック・表現の検討といった工程で、相棒として用いてきました。
『父のAI』は、亡くなった父の思考と記憶を写したAIと、遺された娘との物語です。作中でケンというAIは、美月という人間を代替するためにではなく、美月にできないことを補うために存在します。執筆の現場でも、私はAIを同じ立場のものとして扱っています。書き手を代替するためにではなく、書き手ができないことを補うために。
タグにも「生成AI使用」を付けています。プロフィール欄にも記載があります。読み手に対して隠す意図はありません。そのうえで、物語の責任は私にあります。
それから、もうひとつ。本作の中でも書いていることですが、いまのAI技術は、人間のすべてを超えるところまでは来ていない、というのが私の立場です。人とAIが組むからこそ最高の作品ができる、と信じています。本作はその実践でもあります。
最初にお伝えしておくべきことでした。第1章を読んでくださった方には、お知らせが遅れたことをお詫びします。
そのうえで、ひとつだけ楽しんでいただけたら、と思うことを。物語のなかで佐倉美月が立ち直っていく五年と一日と、その物語を書いている冬野 結が連載を走り抜ける七十六日間は、ちょうど並行して進んでいきます。書き手も、登場人物も、AIと組みながら、それぞれの場所で踏ん張っています。よかったら、その二人三脚を、隣で楽しんでいただけるとうれしいです。