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結構重要な世界設定・戸籍編

 本来は本編で説明すべき事なのですが、文脈的に入れにくかったのでここにて。

 瑠華が転生した世界には、戸籍が存在していません。これは後に詳しい説明があるダンジョンブレイクによって、国の中枢機関が壊滅的な被害を受けたからです。

 ダンジョンは世界各地にほぼ同時に出現しました。日本にも例外無く多数のダンジョンが出現し、ロクな対策も取れないまま後にダンジョンブレイクと呼ばれる現象が発生。何とか食い止めたものの、政府機関は壊滅。日本各地も同様な被害を受け情報が錯綜。その中で優先したのはダンジョンの情報を集め、管理する機関を設立する事でした。

 ダンジョン協会はその当時の政府関係者の生き残りで構成され、生存者の確認や覚醒者(後の探索者)の把握が急務となりました。それと同時に出現したダンジョンの情報の収集と対策も行われ、本格的に業務が安定し始めたのが、瑠華が産まれて三年後の話です。

 そしてダンジョン協会が安定するまで戸籍はほぼ消失状態が続いており、出生届けこそ受理されていたものの、その親の情報がそもそも存在しないという事態に。
 その対応策を模索する中で提案されたのが、ダンジョン適性検査を戸籍登録の場とする事でした。

 劇中ではさっぱりとしていますが、ダンジョン適性検査はかなり本格的な身体検査です。なのでそれを元に戸籍を登録する事にしたという訳ですね。その検査の際に発行される証明証が、公的書類としての役割を果たしています。

 ……そしてお気付きかもしれませんが、これはダンジョン協会が管轄している仕事です。つまり役割を取られた政府機関はもう存在していません。すべてダンジョン協会に統合されました。なので国からの支援=ダンジョン協会からの支援です。

 ただし戸籍関連の情報は、混乱を防ぐ為という名目で秘匿されています。なので一般人は未だ完全な戸籍が無いと思っています。若干名勘づいている人も居ますが。

 そして最後に言いますが、『ドラゴンさんの現代転生』の舞台は“別世界”です。平行世界でもありません。全くの別です。名前が似ているというだけで、あらゆる事象が異なります。現実における“常識”の尺度で判断しないようお願いします。



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