ファンタジー小説やTRPGでチラホラと出てくる「カチカチに焼き締めた黒パン」。
ニュービー冒険者が文句を垂れながら食べているアレ。
作ってみました。
【材料】
・粗挽きライ麦粉(自家栽培。棒でぶっ叩いて脱穀後、雑に篩にかけたブツなのでフスマがかなり混入している)
・イーストとサワー種
・塩
・水(生地がギリギリまとまる最低限の量)
つまるところライ麦100%パンです。バター? オリーブオイル? 初心者冒険者に食わせるものにそんな高級食材は入れねえ!
【作り方】
・↑を全部混ぜて捏ねて発酵させてオーブンにぶちこむ。
【お味】
・常識的な焼き方バージョン(30分程度の焼成)
固くて、重い噛み心地。じんわりとライ麦の滋味が広がる。酸味もふわりと感じる。不味いとは言い切れないものの、他の付け合せ食材で得た幸福感が全てこのパンで台無しになる程度の威力はある。
・長期保存用の焼き方バージョン(1時間30分程度の焼成)
切り分けるためのナイフ、刃が立たない。ナイフで叩くと木工作業の音がします。仕方がないのでナイフを杭にしてハンマーでぶっ叩いて割りました。
煎餅とか砂岩みたいな噛み心地。「バリッボリッ」という音が頭蓋に響きます。仄かな酸味が主で、ライ麦の香りや滋味はどこかに消えてしまったようです。ちょっと酸っぱい砂岩。食べ物ではない。あと、炭化した部分は当然ながら炭の味がします。まあここを取り除いたとしても、酸っぱい砂岩を食べるのは苦痛なのですが。
【感想】
この「冒険者のパン」だけで成人の必要カロリーを満たそうとすると、1日あたり1kg食べる必要があります。常識的な焼き方バージョンならまあ、ギリギリ耐えられるかなぁと思いました。
長期保存用の焼き方バージョンだと、100gでも壮絶な苦痛を味わうと思います。味覚は人それぞれだと思いますが、少なくとも僕は無理です。
このパンを焼いた野郎の顔面を殴りたい気持ちに駆られますが、何故か自分の顔しか思い浮かびません。ふしぎなことです。