こちら手持ちの兜です。どちらもバーゴネットという兜で、作中でヴィムが「プリューシュ様式、当世風」と呼んでいるものです。こちらの世界の言葉に直せば「ドイツ様式、16世紀風」になるでしょうか。地域は割とぼかした作りですけどね。
競技用にバーグリルの面頬が着いていますが、これは歴史的ではないのでご注意(当時の戦場ってパイクでのど付き合いなんですが、当時の人達は怖くなかったんだろうか)。
右側はお安い方で、倍給兵と呼ばれる、戦列の前方で頑張る「装備が整った人」が着用する事を想定したものです。ルルが着用しているのは、これに面頬を付けたものですね。
左側はオシャレ用で、変則的ですがフルーティング(畝の打ち出し)が行われ、末端に縄目模様がしっかり打ち出された「傭兵隊長級」が着用する事を想定したハイエンドモデルです。首元のパーツが可動するので、上下左右どこを向いても引っかからないのもお気に入りポイント(なのでオシャレ用と言いながら、快適なので練習に使うのはコレ)。
どちらもクレスト(トサカ)が低いですが、この部分は時代を進んでいくと無意味に高くなっていきます。高い方が作るのが難しいので「こんな高くクレスト作れる甲冑師の作品買ったんだぜ!」という自慢だったのでは、と言う説があります。
僕は16世紀初期(まだクレストが低い時代)が好きなので両方とも低めです。まあ、高くすると曲がりやすいのでそれを嫌ったという事情もあるのですが(あと工作難易度が上がるので値段も上がる)。
ともあれ、ルルが着用し、クルトも欲しがってる兜はこんな感じなんだよとわかって頂ければ幸いです。奴らのは面頬付だけどね。羨ましい。