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https://kakuyomu.jp/works/16816452221276435082/episodes/16818093083898522833誰かを犠牲にしてでも自分や未来の人々の幸福を願い行動する。
結果によってそれが英雄的とも捉えられれば狂気的、とも捉えられることもあるでしょう。すべて結果論で、当時を駆けている人々にはその行為が最終的に正しかったのか間違っているのかわからない。
秩序に反するが、そういう可能性を秘めている人が、時代の変動期に現れることもあるでしょう。御影春とは、正しい人ではなく、今の価値観から見て間違っている人です。それが未来になって間違っているか否かは初めて評価される。
それが今の人達にとってどれほどの迷惑か彼女は知らないでしょう。彼女は虐げられる側の気持ちは理解していても、虐げる側の気持ちは理解できない。彼らが人間を許せなかったのは、プライドだけでなく、ただ人間の増長が自分たちの生存圏の風紀や秩序を乱すから、壊すしかなかった。それもまた仕事なのだと。
あるいは今自分たちが最も忌み嫌った横暴者になっている可能性を無視している。それは意図的なのか、あるいは力に酔って見失ってしまったのか。
どうあれ、彼女は同情の余地なく京都にとって排除するべき狂人であることに変わりない。彼女の革命は京都の人々に迷惑を振りまく『悪』なのだから。