あの作品には明確なモデルがいて、たぶん私は何回もあの子のことを書くんだろうな。
忘れさせてくれない人がいます。あの子のことを一生背負ってくんだねって話した人がいます。
私が早死にしたいだとか死にたいだとか言ってた時あの子は何を思っていたのかな。
あの子と歌った夏の歌とか聴けるようにはなったけど歌うことはできなくて悲しい歌じゃないのに悲しくなる。
あの子が歌ってる動画とか写真とか、ピンクのギターとか未だ覚えていてどれも全部可愛くていつでも会えるような気にもなる。
またみんなでディズニー行こうとか次はピューロランド行こうとか、なくなった約束を思い出しては悔やんでる。
ハローキティのグッズを見かけるとあの子に買いたくなる。あの子が体調悪い時にいつも飲んでるピンクのモンスターをポストに入れていったこともあった。最高って言ってた。
ずっとくだらない話を学食でしてた。TikTokの変な動画とか、友達のオタ活の話とか、男の話とか。
生きてるとあの子を思い出す瞬間がいくつもあって、どっかで会えるんじゃないかって錯覚する。
馬鹿みたいに宅飲みしてクソみたいな飲み方をして酷く酔い潰れてそのままカラオケに行ってあの子の歌を聴いてた。
もう全部なくなったんだなって思うと悲しくて誤魔化すために酒飲んだり煙草を吸ってる。ギターを弾くようになって案外難しいんだなとか当たり前のことを馬鹿みたいに思ってる。
死んだあの子に挨拶に行きたいけど怖くてまだ認めたくない自分がいて、行こうと思ってたけど辞めた。
働いてる店のお客さんであの子に似ている人が来ると呼吸ができなくなる。あの子と同じ匂いがすると立ち止まって動けなくなる。あの子と通った道を一人で歩くことはもうできない気がする。近くを行くときは目を伏せてしまう。
いつかこれも忘れていくんだろうな。こんなことを書いたことだって、もうあの子のことを話せる人はほとんどいなくて、その子もいまだに苦しんでる。きっと私よりも。久しぶりに電話をしたら八つ当たりされた。
今回の作品を描くためにあの時の曲とかを聴きなおしたりして忘れてたことを思い出したりした。
いつかあの子のことをちゃんと書いて、世間に認められて、かわいい子がいたんだって証明できたらいい。
じゃないとあの子が出てきて私はもっとかわいいって言われそうだし。