『類を惹く』
https://kakuyomu.jp/works/16818093078060139115本日完結いたしました。
全49話、約11.6万文字です。以下ネタバレを含むあとがきですので、必ず本編を読んでからご覧ください。
『類を惹く』というタイトルは「類を引く」という言葉から考えました。
陽菜の兄は、生まれ持った容姿が良すぎる(魔性の男)で、似たようなヤバイ女に好かれる傾向にある話ですので、「類は友を呼ぶ」の類語を調べたらそこにあったんですね。
なので、「引く」を「惹く」と変えて、元々の意味と、あとは兄の名前が類なので、類が惹かれた人=音成優という意味をかけてます。
容姿端麗に生まれてしまったせいで、「恋」を理由にする、「恋をしたのだから仕方がない」という考えでなんでもしちゃう恋愛至上主義×自分のことしか考えていないやばい考え方しかできない女たちに翻弄されてしまう。
もちろん、類を好きになる皆が皆そういうわけじゃないです。ちゃんと節度をもって、常識のある人はいます。それでも、そういう人たちが「類に惹かれてやってくる」ということもタイトルに掛けてはいます。
継母のアヤ先生は、妹の陽菜と父親にとっては良い母、良い妻ですが、実は幼少の頃から「美しい毒」と称される類の毒に侵されて、あのやばすぎる行動に出ていた……というのが、本作の一番気持ち悪いところです。
陽菜と父親は、類が死んでしまったのでその真相まではたどり着きません。ただ、母親の過剰な干渉のせいで、自らの行動のせいで息子が死んでしまったことで心を病んでいると思っています。
エピローグだけ(4)で終わっていますが、実は今でも最後に音成サイドの話を足した方がいいかどうか悩んでいるところです。音成は類に頼まれて、殺しましたが別人格のユウは彼の願望が作り出した人格です。なので、類を容姿だけで好きになったわけではありませんが、その美しい顔が誰よりも好きだったという……
これは締め切りまでまだ時間があるので、一度最初から自分で読んでみて、必要であれば追加しようかと思っております。
これがミステリなのかホラーなのか、最後まで悩んだのですが、そもそもミステリ&ホラー大賞への応募作なので、このままミステリとしておきます。
イヤミスというか、気持ち悪い話を書きたいなと思っていたので、普段の私の作品とは違って改行、空行は極力減らしました。その方が本格派っぽいので、慣れていない方にはとても読みづらいかもしれません。
書き始めたのは5月末からでしたので、約3ヶ月とちょっと一旦完結ボタンを押すまでかかりました。カクヨムでミステリはあまりにも人気がなく読まれない、星もつかない中、なんとか最後まで書くことができたのは、連載開始当初から応援してくださった読者様のおかげです。
本当にありがとうございました。あなたがいたから、頑張れました。
コンテストの結果がどうなるかはまだまだ先の話ですが、前作よりは爪痕を残せればと思っています。
また、本作以外にも長編作品で完結済みのものは17作ありますので、よろしければそちらも、ぜひ読んでみてくださいね。
2024.9.4 星来 香文子