今年の春先から書き始めたローファンタジー「魔道具店夢乃屋」シリーズの最新作、「魔物たちの集い」を昨夜更新しました。
このお話はそもそも仕事や体調不良などさまざまな理由で長く創作活動から離れていたわたしが、久しぶりに「書くことを楽しんでみよう」と始めたものでした。久しぶりだから気楽に愉しく、のんびりと好きなように書きたいな。そう思っていたとき、友人からきっかけをもらったのです。
某社から刊行されていたショートショートのタイトル「黒猫を飼い始めた」。
書き出しの一行目が全部同じというその本の話題をたまたま友人が口にしたとき、ふと、わたしもその書き出しで何か書いてみたいなと思ったのです。件の本は残念ながらまだ中身を読んでおりませんが、その書き出しで始めた物語が「夢乃屋」のスタートになりました。
自分で書いたものですが「なんか面白そう!」と思えたので続けてみることにしたのです。
そして、二話目を書いているうちに、この店はいったいどんな店なんだろうという疑問が湧いてきました。
言葉は?金銭は?どこから、どんなお客さんが来るんだろう?
わくわくしながら考えるたびに話が膨らんでいくのです。気づけば結構続いているシリーズ物になりました。
前作から少し間を置いて書き始めた今作も、一話目と同様、既刊本のタイトルからアイディアを拝借しています。「黒猫」と同じシリーズとして刊行されているもので、やはり最初の一行が同じ短編を二十四人の作家が書いている本です。
「これが最後の仕事になる」
このタイトルを目にしたとき、以前から書きたいと思っていたお話の筋がピンと一本の線に繋がり、するするとわたしの中に降りてきました。
手前味噌ですが、結構いいお話になったのでは、と思います。
もちろんこれまでに書いた他のお話も全部、わりと気に入っているのですが。
読んでくださった皆様に少しでも気に入っていただければ幸いです。
ぜひまた、次のお話でお会いしましょう。