いかにつまらない小説を書くか。それも真剣に書いてということでやってみたのですが、大きな失敗をしてしまいました。それは「狙って”つまらないこと”を書いてはいけない」ということが理解できていなかったからです。
狙って書くと一周回って面白みになってしまうのです。失笑、苦笑という言葉がありますが、結局は笑っているのです。「ここでサムく感じさせてやろう」「ここでドン引きさせよう」「(わたしのイメージを毀損してまで)ここで戸惑わせてやろう」とか色々計算して書いたのですが、結局は読者の何らかの感情を引き出そうとして、それが(良かれ悪かれの)笑いへと変換されてしまうのです。意図的につまらないことを書いて読者の感情を動かしてはいけないと、学んだ次第です。
ということは、つまらない小説とは「読者の感情が動かない」作品ということがひとつの帰結点ではないかと思いました。極論すれば、「つまらない」という感情すら湧かない「無関心状態」を維持できたものであること、ということでしょうか。
それにしても、真剣につまらない小説を書くことは地獄でしかありません。「とても つまらないです!(あくまでも褒め言葉)」と言われても、「もともと下手くそだ」と言われているようで微妙だし、「これは面白いですよ」と言われても、「つまらないものが書けない下手くそ」と言われているようでこれまた微妙です。
もう二度と書きたくないと思いましたが、真剣に書いて学ぶものがありました。もう二度と書きたくないですけど。
消える魔球はお汁粉缶の金玉
https://kakuyomu.jp/works/16818093076097104553失敗例として何かに生かして頂ければ幸いです。