山間地に住んでいる私ですが、昨日、遊びに来てくれた友人のリクエストで、とある滝を見に出掛けてきました。とても素敵な名前がついているものの、地元に住む私自身も足を運ぶのは初めての場所です。
そこは観光地から数百メートルしか離れていないのに、しっかりとした登山的な装備がないと歩き進めないような山道で、ある意味で知る人ぞ知る穴場スポットでした。
小さな沢の脇に続く道には、目が覚めるような蛍光黄緑色の苔がびっしりと生い茂り、大きなシダの群生が広がっています。息を荒らげながらその山道を歩くうち、私の頭の中にはずっと、本作の「20話後編」から続く光景が思い浮かんでいました。
つい先日までの酷暑が去ったばかりの山道は、天然クーラーのように空気がひんやりとしています。そしてそこには、植物たちと湿った土に触れた香り――小説の中で私が表現している「ベースノート」の香りが、確かに漂っていました。
「物語の世界にありそうだな」と想像で綴った虚構の景色が、そっくりそのまま現実として目の前に広がっている。そのことに静かな感動を覚えながら、ようやく目的の滝にたどり着きました。
そこは、落差50cm〜1mメートルほどの小さな滝が4つ連なった、とても美しい場所でした。その素敵な名前にも深くうなずける情景で、少し変な感想かもしれませんが、まるで「AIに描いてもらった美麗なイラスト」をそのまま現実にしたかのようでした。
胸いっぱいにその森の空気を吸い込み、景色をしっかりと目に焼き付けて帰路につきました。
この日、肌で感じたひんやりとした空気や、力強い植物と土のベースノートを、今後の執筆にもたっぷりと活かしていこうと思っています。
引き続き、物語の世界にお付き合いいただけたら嬉しいです。