いつもだぶんぐる作品をお読み下さりありがとうございます。
サポ限SS更新しました。今回はカクヨムで新しくアップし始めた『神クラスの奴隷商人のハズが一人も売れません!』とのコラボSSです。
流石にハイファンタジーと現在のコラボは難しかったので、『Vオタ』のVtuber達がそのまんまネット小説の『奴隷商人』のキャラを演じながらASMRをするという形になっています。
宣伝もありますが、個人的にロールプレイASMRって楽しそうだなあと思って書いたので楽しかったです。
あとは、小説にした時に普通のASMRって難しかったので……。
2月はいきなり、全然書けなくなってしまっていて、更新頻度がっつり落ちそうですが、『奴隷商人』は一旦完結までしている作品なので、完結まで毎日更新するので、是非ご贔屓に!
では、恒例のサポ限の前半部分です。
サポーターどうしようって迷っている方は参考にどうぞ。
本当に無理して入る必要はないと思いますので後悔ないよう参考にして下さい。前半だけでも楽しんでもらえたら嬉しいですー!
サポ限第7弾SS『Vオタ×奴隷商人SS・奴隷ASMRってぇ、刺激が強すぎるんだってぇ』※前半部分のみ
「累児はASMR好きよね?」
「好きです」
ASMR、autonomous sensory meridian responseの略で、人が嗅覚や視覚によって感じる、心地よい、脳がぞわぞわするといった反応・感覚、らしい。
まあ、ともかく、Vtuberという音声がかなり重視されるコンテンツにおいてASMRを武器にする人は多い。
【ワルプルギス】であれば、亀水みるるさんやツノ様、そーだあたりが得意なジャンルだ。
優しい囁き声で、耳かきなんかをしてもらう(音)は癒される。
ただ、ちょっと、なんか、照れるのでこっそり聞いていた。
だが、好きに嘘はつけない。反射的に答えてしまったのだ。
「好きです」
と。姉さんは俺の即答が予想外だったのか、少し動きが止まり、ローディング時間を必要としていた。
「累児が好きって……!」
いや、ASMR配信がね。
両手を頬に当てながら照れる姉は姉ながらかわいい。
「そうよね、分かった」
姉さんは、胸に手を当てて満足そうに微笑む、そして、
「やるわ」
やるらしい。
高松うてめは、今の所ASMR配信をしたことがなかった。
テンションが上がった、俺の。
いや、姉だ。姉だけど、高松うてめなんだ!
だから、テンション上がっても許してほしい。
だって、だってさ! ちょっと低音なうてめボイスでASMRなんて最高じゃん!
だから、深々とお辞儀をしていてもいいじゃないか!
「楽しみにしていてね」
「って、姉さん、ASMRって耳かきとか?」
「ううん、累児が最近読んでるネット小説のキャラになりきってやるわ」
いきなり特殊なところから行き始めるやん。
「『神クラスの奴隷商人のハズが一人も売れません!』って奴ね」
「って、なんで知ってるの!? それを俺が読んでるって」
「姉さんは弟の事をなんでも知ってるモノなのよ」
絶対違うと思う。
なんかいい事言ってる風だけど絶対違うよね。
読んでるネット小説まで把握し始めるとは、一体姉はどうやって……。
「っていうか、なりきりASMRっていきなりハードル高すぎない?」
俺がそう言うと姉さんは顔をまた真っ赤にしてぼそりと呟く。
「だって、高松うてめとしてだとしても累児が聞いてると思うと照れちゃう。もういっこくらいフィルターかけないと……むり」
かわいすぎか、ウチの姉は。
これで、俺の行動や嗜好をすべて把握しているという狂気さえなければ、本当に理想の姉なんだが。
「一番好きそうな、嫁奴隷のヴィーナをやろうと思うから」
これさえなければ本当に理想の姉なんだが。
だが、俺は知らなかった。
この俺と姉さんのやりとりを聞いていた奴らがいたことを。
『というわけで、今週末は、うてめがハマってるネット小説を、ワルメン7人でASMR配信しまーす!』
そんな事を言いだしたのはツノ様だった。
俺と姉さんの話を聞いていたワルハウスメンバーはそれを企画として会社に通してしまった。いや、ただのネット小説なんだが。
俺のハマっているその小説は、神クラスと呼ばれるほどレベルが高い奴隷商人のはずなのに一人も奴隷が売れない奴隷商人と、それを支える奴隷達の物語だ。
この奴隷達にそれぞれなりきりながらASMR配信をするらしい。
黒川社長からは『感謝してね。そして、これからもよろしく』と言われた。
いや、確かに俺は嬉しいし、ファンも喜ぶとは思うけど、フッ軽すぎんか。
姉さんはちょっとふくれっ面のまま、俺の横で配信を見ている。
「ずるいわ……私が累児にしてあげる予定だったのに」
「まあまあ、うてめ先輩! 勝負は平等にいきましょうよ……。だって、うてめ先輩は誰よりセンパイに愛されているんでしょ、なら、大丈夫ですよねえ?」
ガガが挑戦的に微笑むと、姉さんは俺の手をぎゅっと握り、
「勿論。絶対に累児は私の配信が一番良かったって言ってくれるわ。だから、みんなには負けない」
そして、よくわからんままに、ASMR配信勝負が始まる事となった。
ファン達はそんなことは露知らずいきなり始まった企画に狂喜乱舞していた。
なら、何よりだよ!
『ふふふ、ご主人。緊張しているのかい? 大丈夫さ、私に任せてくれれば、人体を知り尽くした私だからね、耳掃除だって、お手のものさ。そして、人間の快感を感じる神経も知り尽くしている。特にご主人のはね。ほら、ふぅううう~』
〈ほぎゃああああ!〉
〈女医さいこー!〉
〈もっともっと治療をお願いします!〉
〈ツノたってきたー!〉
『ふふふ、こらこら、ツノ立つだなんて……君がそんな事を言い出してしまうと……私も興奮してきてしまうじゃないか……ふふ……!』
ツノ様は、奴隷兼医者の『スコル』というキャラクターになりきってASMR配信を行っている。どちらかというと女医でも知的探求心が強く、主人公である主人に興味を持ちつつ溺愛している彼女はエロ要素が少なめなので、ツノ様が演じるのは意外だったが、ツノ様のキリっとした声の意外性とうまく設定に調和させてセクシーな感じを出す技術が凄すぎる。
『主様、お耳気持ちいいですか? ふふふ、主様のお耳の掃除まで任せて頂けるなんて……メイド冥利に尽きます……主様のメイドとして完璧に綺麗にして差し上げますので。主様にお仕えすることが私の何よりの喜びです、主様……』
〈しお分のないノエさま……これもいい〉
〈メイドノエメイドノエメイドノエ〉
〈冥途の土産にします〉
『主様はいつも私を大切にしてくださるから、メイドとして何が出来るかいつも悩んでしまいます。なんでもお命じ下さいね……だって、私は主様のことが、主様の事が……ぁぅぅぅ~むりぃ~、なんで、そーだとかツノは出来るの~?』
ノエさんは、奴隷兼メイドの『キヤル』。顔を包帯で巻いてしまう位火傷を負った奴隷を主人公が拾ったことで全身全霊をもって主に尽くそうとする健気なメイドだ。だが、恥ずかしかったらしいノエさんは小さな声で悶えている。この照れもまたASMRの魅力かもしれないのでありがとうございます!
『主、ワタシの膝は固くありませんか? ワタシは機械ですから……。それに……その……主の顔が置かれていると考えると温度が急上昇してしまい、つまり、照れているのですが、主は大丈夫でしょうか? 大丈夫? であれば、よかった……主、気持ちよさそうな顔をして下さっていますね。ワタシも主の心だけは理解できるようになってきました。大切な主ですので』
〈マリネのクールボイス!〉
〈こういうのもええやん〉
〈ゲーム分析の時の声に近いなあ〉
『ふふふ……主、心拍数の上昇を探知しましたよ。主もどきどきしてくれているのですね。これが、幸せという感情なのですね』
マリネは機械仕掛けの奴隷『ラブ』。クールな彼女の喋り方はマリネの普段の喋り方なので俺にとっては聞きなれているはずなんだけど、マリネがくすぐったそうに喋るのが面白くてついつい笑顔になってしまう。
『ご、ごしゅじん様……! わたしのいたくなかったですか? あの、ふーふーしましょうか? あ、あの、ひぃぃぃ……むりだよぉ、みなさん、すごすぎですぅ……』
さなぎちゃんの一生懸命な新人奴隷も、
『主殿……わたくしの声で興奮されているのですか? ふふふ……いけません、愛しい思いが溢れてしまいます』
ガガでは見られない生真面目凛々しい感じの奴隷も、
『ふふっ、ご主人様! ボク、ご主人様の、すんすん……ご主人様の匂い嗅いでたら……しっぽがぶんぶんして止まらないよ……どきどきしてるのわかってるかなあ、わふ~ん』
そーだの演技力抜群の獣人奴隷も、
「うわあああああ……良すぎる……いかんいかんぞ!」
良すぎて思わず腕立て伏せを始める俺。
この後、どんな顔してみんなに会えばいいんだ!
そして、
『じゃあ、始めましょうか、ご主人さま』
姉さんによる嫁奴隷演技によるASMRが始まるのであった。
(後半サポ限に続く)