皆さま、こんにちは。くるとんです。
拙作『異世界なのにチートが使えない件。』のストーリーが、いよいよ佳境に突入しました!ストーリーの性質上、過去の内容を参照することが多くなると思われるため、作品の簡単なあらすじをここに記載したいと思います。
以下、いわゆるネタバレになりますので、未読の方は、作品のほうを先にお読みいただけますよう、伏してお願い申し上げます。
*本ノートは、作品のあらすじに関する記載があります。
*ストーリーの流れをまとめたものになりますので、記載されていない場面もあります。予めご了承ください。
―――あらすじ
①異世界転移と魔法の衰退
二度寝をしたところ、異世界に飛ばされてしまった主人公コウタは、大のファンタジー好きである高校生。戸惑いはあったものの「異世界転移にはチートがセット」という固定観念を背に、前を向くコウタ。チートを使って魔王をなぎ倒し、ハーレム生活を送る…そんなことを夢みて。
うきうきでギルドへと向かうコウタ。冒険者登録のため、攻撃力と防御力の測定が行われる。測定結果に驚く職員を見て、チートがバレたと悟った。しかし、飛び出してきた言葉は「低すぎる!赤ちゃんよりも弱い」という、想定外のものだった。すがる思いで魔法の力を計測してもらったものの、「魔法は廃れた」という、これまた想定外の言葉を告げられてしまう。異世界転移とセット販売ではなかったチート。現実に叩きのめされ、途方に暮れるコウタだったが、エリという女性に声をかけられる。
エリは魔法学者を祖父に持つ冒険者で、コウタに祖父コロンの話相手になってほしいと願った。この世界最後の魔法学者であるコロンは、廃れていく魔法の灯を必死の思いで守っていた。その思いに心打たれたコウタは、魔法研究の手伝いをすることとなる。
魔法を知るにつれ、魔法の強さをひしひしと実感するコウタ。魔法と科学の微妙な関係性に戸惑いながらも、なんとか国際会議での学説発表にまでこぎつける。コロンの大きな助けもあり、論文は無事に掲載されることとなった。当然に見向きもされないはずだったのだが、ある人物の目にとまる。それが魔法学を揺るがす、一大事へとつながるのだった。
②魔法の復権と魔法理論
この世界で最強とされるセイヤのパーティーは、現状最難関であるダンジョンに挑んでいた。しかし、その圧倒的すぎる強さに、はじめての絶望を味わう。プライドを捨て、一縷の望みを胸に、魔法の存在に縋るセイヤ。コウタのもとへと赴き、魔法を教えてほしいと請うた。しかし、現実は非情なもので、セイヤたちが魔法を使える可能性はなかった。
セイヤの必死な願いに悩むコウタだったが、自分が参加するという決断をする。魔法の力を駆使し、最難関のダンジョンを無事突破したセイヤのパーティーとコウタ。いつも通り平和な日常にかえると思われていたが、ダンジョン攻略の件が大きなニュースとなる。魔法は一気に注目の的となり、コウタとコロンは一躍、時の人となった。
さまざまな困難を乗り越えて、魔法学は再び権威を取り戻した。同時に魔法使いも注目されることとなり、高難度ダンジョン攻略に必須の存在となる。そんな魔法を正しいかたちで普及させるべく、王立学校魔法学部が新設されることとなった。そこで冒険者学科の教授となったコウタは、魔法使い教育と並行し、魔法の研究を続けていた。
そしてとうとう魔法の深淵、魔法要素の理論を完成させる。魔法の組み合わせに関するその理論は、新たな魔法をつくり出せるという側面も有していた。危険な魔法が研究されてしまうことを恐れた王国とギルドは、コウタの理論を機密事項に指定する。
③事件と結婚
魔法学部の教授としての日々を送っているコウタだったが、ある事件に襲われる。これをきっかけに互いの気持ちを深めたコウタとエリは、結婚することとなる。幸せな家庭を築くコウタとエリ。巨大すぎる家に戸惑いながらも、楽しい生活を送るのだった。
その後もさまざまな事件を偶然ながらも解決していくコウタ。事件を解決したものの、腑に落ちない部分があり、若干の違和感をつのらせていく。コウタの予想通り、すべての糸をひいている黒幕が存在しているのだが、未だにたどり着くことはできていない。
ひょんなことから「憧れの存在」の話題で盛り上がったコウタとエリ。しかし、エリは憧れの人の名前を思い出せなかった。戸惑うエリにコウタが答えようと思ったその時、ちょっとした違和感に気づく。それは、エリが憧れているはずの冒険者が、剣士ではないということ。つまり、剣士のエリが剣士ではない冒険者に憧れるという、違和感のある構図だった。
コウタは、記憶をたどるにつれ、違和感をつのらせていく。そして「記憶や記録を書き換える魔法」の存在を知った。これが使われたのでは、と疑うコウタ。別の世界出身であることが奏功し、やっとのおもいで「本当の名前」を思い出す。しかし、それより先に進む方法がわからない。再びコロンに相談したところ、とんでもない作戦を聞かされるのだった。