バノの「もしかして、戦争ごっことか?」という台詞とともに現れたシーンも、描いてもらっていたのでした。
明日、2024年11月27日の更新で水浴びになっちゃうので、そのあとではタイミングがおかしい気がします。
気づいてよかった。
バノと出会うシーンは、構想のかなり初期からあって、「ここまでなんとしても書きたい」という動機のシーンにもなりました。「書きたい」は、ここばかりではないですけれど。
本編にはもしかすると出てこないことかもしれないので、ここで言ってしまいますと……
ウインが落ちてきてすぐにサバイバルの話をします。そこで子どもたちだけで暮らして軍艦に助けられるという物語を読んだと言っていました。これは『蠅の王』(ゴールディング)です。手短に言うと「悲惨なことが起こる十五少年漂流記」です。
ウインは仲間に不安を与えたくなくて、この物語を紹介しつつも、内容を言わずにいてストレスだったのですね。
バノ登場シーンでの台詞が、ウインをなぜかとても惹きつけたのですが、ひとつの理由はすでに書かれていたとおりに日本語だったからです。
あとひとつは、バノの台詞の中に『蠅の王』の引用を聞き取ったからです。
「この人は、あの話を知っていてくれる」と思ったときのウインの心境が、このあとウインの心に長く残るし、地球に帰ってからの日々にも反映されていくことになるのです。